★1990年代後期より活動し、リー・コニッツとの共演で注目を集めるようになった実力派ベーシスト:ジェフ・デンソン(1976年米ヴァージニア州アーリントン生まれ)をリーダー格とし、フランス出身のギタリスト:ロマン・ピロン並びに云わずと知れた現代ジャズ・ドラムの最高峰:ブライアン・ブレイドの参加したギター・トリオ、によるアルバム2作目。曲はデンソンとピロンの持ち寄ったオリジナル群。
★バネを利かせて太く重厚にドライヴするベースの力強い鳴動が絶えず空間底部で「圧」ある雄大な存在感をこってり放ち続ける中、カラフル&シャープに芸の細かい表情豊かな遊撃をカマしてくる多角的ドラムや、鋭いキレと滑らかな潤い感を兼備したトーンでコンテンポラリー感覚のクーリッシュ・アクションを紡ぐギター、らが中々テイスティー・グルーヴィーな魅力を放ってゆく、繊細でスマートであり程好い内省的スピリチュアルさをも含んだ独創性溢れる敢闘内容。
★浮遊感漂うスペイシー&トライアングルな妖しくトグロを巻くが如き無重力調の迫真インタープレイ趣向があったかと思えば、耽美性と牧歌性を強めたマイルドなロマンティック路線もあったり、今流ファンク・ジャム風の躍動的グルーヴ大会が決め込まれたり、より伝統的な抒情派ハード・バップ快演も飛び出したりと、刻々スタイルは変移するも歌心と歯切れよいノリをキッチリ堅持したブルージー・メロディックなメリハリある奏演、が濃やかに、ドラマティックに展開してゆき、分厚くコクのある黒幕オーラを発散するデンソン(b)の濃い個性も随所で際立つが、しかしそれに劣らず実質的な主役を担うピロン(g)のセンシティヴでニュアンスに富んだきめの細かいアドリブ妙演が、殊の外ユニークな瑞々しくも旨味十二分の華を確固と成していて素晴らしい。
→J・ホール的クール・バップ語法やメセニーorアバークロンビー・ライクな現代感覚、ジョンスコに通じるファンク・スピリット、フリゼールにもちょっと似た穏やか&おおらかなフォーキー文体、といった多様なスタイルを的確に使い分け、或いはミックスして、あくまで余裕と節度を絶やすことなくデリケートに、かつ悠然と筆を滑らせてゆくその、余白を残した含蓄豊かで懐の深い硬軟兼備の語り口は、誠に風流な雅趣ある独自の妙味を漂わせて卓抜。衒いなく巧みなげにヴァラエティー豊かな万華鏡のような機微&機智あるサポートを軽々キメる、ブレイド(ds)の匠の至芸も全く鮮麗。
01. Daily Jubilee Of Dancing Herbie D. 5:34
02. Finding Light 4:22
03. This Way Cooky 5:51
04. A Moment In Time 7:44
05. Wishing Well 4:37
06. The Tipster 4:40
07. Terre Intro 2:04 (solo bass)
08. Terre 5:01
09. Espoir 7:06
10. Sixto 7:38
*01, 02, 04, 05, 06, 07 by Jeffrey Denson Publishing ASCAP
*03, 08, 09, 10 by Romain Pilon Sacem
Jeff Denson (bass)
Romain Pilon (guitar except 07)
Brian Blade (drums except 07)
2022年1月17,18日米カリフォルニア州オークランドの25th St Recording録音
レーベル:
Ridgeway Records
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CD
入荷予定時期:2022年10月下旬
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