CATFISH RECORDS

★スコット・ハミルトン、ハリー・アレン、グラント・スチュワート、バーニー・セネンスキー、コリー・ウィーズ等々の人気スター・プレイヤー達も次々と登場する、総勢11チームのコンボ群がカナダのモダン・ジャズ史を代表する最重要テナーサックス名匠：フレイザー・マクファーソン(1928-1993)作の名曲を各1曲ずつ奏した、Cellar Music(Cellar Live)制作によるソングブック趣向の強力オムニバス・アルバム。

★セッション毎・顔ぶれ毎に微妙に空気感は異なるものの、ほぼ一貫してインティメイトなリラクゼーションや温もりとイキのいいスイング感に支配された、ひたすらメロディック&ブルージー・テイスティーな抒情派ハード・バップとモダン・スイングの中間ぐらいの落ち着きある妙演が端正に綴られて、ノリよく快適に和ませてくれる白眉の充実内容。

★歌心と気さくそうな人情味に溢れたマイルド・テイストの寛ぎセッション的快演が実に小気味よく続き、楽曲そのものから濃厚に立ち昇ってくる「ブルース」の風趣が利いてダウン・トゥ・アースなコクっぽい吟醸味がこってり漂う中で、各人のそれぞれ千両役者然としたデリシャスかつ親しみやすさ抜群のソロ活躍がスッキリ晴れやかな、そして豊饒なる盛り上がりを呈してゴキゲンだ。

★スコット・ハミルトン(ts)の悠々と構えつつスイスイと波に乗る誠に鮮やかな流線形的スムース・リラクシング・ブロウを皮切りに、ヤン・ルンドゥグレン(p)の頑として職人気質っぽくスクエアー節を繰り出すアーシー・バップ・プレイ、ヴァージニア・マクドナルド(cl)やエヴァン・アルンツェン(cl)のクール・モダンな滑脱遊泳ワザ、ジョスリン・グールド(vo,g)のキュート&ナイーヴな繊細歌唱、グラント・スチュワート(ts)の武骨でソウルフルな唸り吠えるが如き極太咆哮、マイルス・ブラック(p)のファンキー色の強い小粋なリラックス弾奏、ハリー・アレン(ts)のけだるいデカダン・スモーキー風情と力強いダイナミズムを混合しつつゲッツに接近してゆく感じの流麗吹奏、バーニー・セネンスキー(p)の少々荒削りでパッショネートな鋭敏疾走型アクション攻勢、ライアン・オリヴァー(ts)のハード・ドライヴ感みなぎった雄叫びブロウ、ブラッド・ターナー(flh)のまろやかさとシャープネスが渾然一体化した味わい深いレイドバック・プレイ、コリー・ウィーズ(ts)の折り目正しさと豪快さ兼備の引き締まったダンディーな雄渾ワザ、オリヴァー・ギャノン(g)のホットでイナセな吟醸ソウル満点の鋭角的立ち回り、などなど、鍛え抜かれた個人プレーの名場面が目白押しで一瞬たりとも耳を離せない。見事。

01. Night Spot 6:12
Scott Hamilton (tenor saxophone)
Jan Lundgren (piano)
Hans Backenroth (bass)
Kristian Leth (drums)
2021年11月2日スウェーデン-ヨーテボリ(イェーテボリ)のNilento Studio録音

02. Queen's Pawn 4:37
Virginia MacDonald (clarinet)
Lucian Gray (guitar)
Dan Fortin (bass)
2022年2月14日カナダ-オンタリオ州トロントのGeorge's Basement Studio録音

03. It's A Human Race 3:41
Jocelyn Gould (vocal, guitar)
Will Bonness (piano)
Julian Bradford (bass)
Fabio Ragnelli (drums)
2021年11月14日カナダ-マニトバ州ウィニペグのMusirex Studio録音

04. Rabbit's Habit 7:03
Steve Kaldestad (tenor saxophone)
Chris Gestrin (piano)
Conrad Good (bass)
Jesse Cahill (drums)
2021年7月23日カナダ-ブリティッシュコロンビア州ヴァンクーヴァーのFrankie's Jazz Club録音

05. Up In Steve's Room 3:44
Bruce Harris (trumpet)
Grant Stewart (tenor saxophone)
Tardo Hammer (piano)
David Wong (bass)
Phil Stewart (drums)
2021年11月5日米ニュージャージー州イングルウッド・クリフスのRudy Van Gelder Studio録音

06. Why Am I Blue? 4:20
Evan Arntzen (clarinet)
Miles Black (piano)
John Lee (bass)
Morgan Childs (drums)
2021年8月27日カナダ-ブリティッシュコロンビア州ヴァンクーヴァーのFrankie's Jazz Club録音

07. Waltz For Willi 6:45
Harry Allen (tenor saxophone) (2021年8月10日米ニュージャージー州ノースバーゲン録音)
Dave Blenkhorn (guitar) (2021年8月9日フランスのノアイヤン録音)
Mike Karn (bass)

08. Our Blues 5:11
Ryan Oliver (tenor saxophone)
Bernie Senensky (piano)
Neil Swainson (bass)
Terry Clarke (drums)
2021年7月29日カナダ-ブリティッシュコロンビア州ヴァンクーヴァーのThe Warehouse Studios録音

09. For Your Love 5:09
Joani Taylor (vocal)
Brad Turner (flugelhorn)
Sharon Minemoto (piano)
Darren Radtke (bass)
2022年3月6日カナダ-ブリティッシュコロンビア州ニュー・ウェストミンスターのTom Keenlyside's House録音

10. Ol' Bill's Blues 4:02
Cory Weeds (tenor saxophone)
Oliver Gannon (guitar)
Tilden Webb (piano)
John Lee (bass)
Jesse Cahill (drums)
2021年9月15日カナダ-ブリティッシュコロンビア州ヴァンクーヴァーのWill and Norah's録音

11. Theme 4:57
James Danderfer (bass clarinet)
Phil Dwyer (piano)
Steve Wallace (bass)
2021年9月29日カナダ-ブリティッシュコロンビア州クオリカムビーチのPhil Dwyer's House録音

＊all compositions by Fraser MacPherson

レーベル：Cellar Music (Cellar Live)

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見開き紙ジャケット仕様CD