CATFISH RECORDS

★ニューヨークを本拠に国際的活躍を続け、Cellar LiveやPosi-Tone、Blujazz、Smalls Liveよりの諸作に好評を集めてきた人気中堅ピアニスト：ジェレミー・マナジア(1971年ニューヨークシティのStaten Island生まれ)の、今回はトリオによる奇を衒わず正攻法に徹した一編＝自作曲集。

★歯切れよく硬質骨太でいて爽涼な潤いをも漂わせる(→録音効果か)鋭角的ストーン・タッチのピアノが、ホット&パッショネートなモード色濃いめの疾駆驀進型ダイナミズム攻勢と、よりオールド・ファッションでスクエアーな殺陣っぽいバップ・イディオムの活用、加えてじっくりと地の底へ降りてゆくようなアーシー&ソウルフルなコク深いブルース節、以上を掛け合わせながら伸び伸びと力強く突撃してゆく中々熟成された吟醸プレイ、を自然体調子で愉しげに紡いで雄渾かつ芳醇なる華を成し、ベース&ドラムのゴツさの中に温もりを秘めたド直球サポートもガッチリ頼もしげにグルーヴを強化しきった、全体を通じ潔い真っ向勝負の熱演が連続して清々しく昂揚させてくれる会心打内容。

★硬派で精悍勇壮な迫真力がみなぎり、と同時に明るく親しみやすい歌心やしっかりじっくり醸造されたブルース・フィーリングも潤沢に備わった、正々堂々シンプル・ストレートな人情娯楽的ハード・バップ大会が、半ばセッション感覚の衒いなさ・気負いなさをもっておおらかに展開され、ライヴっぽい雰囲気も多分に匂う開放感に溢れた道程の中で、キッチリと精妙巧緻に律動しながらウォームに唄うOkegwo(b)やシャープ&敏捷に空を斬り刻むRuggiero(ds)、のプロフェッショナルなバックアップに頼もしく支えられ、触発されて、マナジア(p)の、腰を据えて悠然泰然と天空を飛翔するかの如き一本太い骨芯の通ったアドリブ奮戦が、晴れやかでいて渋〜い練達した冴え渡り様を見せて秀逸だ。

→バップやモードの定番語法を使ってダイナミックに重厚躍動しつつ、並行して独特の軽みやウィットっぽさを効かせた小粋な寛ぎファンキー・フレージングも豊富に盛り込んで座を瀟洒に和ませ、時にはボサノヴァ調の楽曲でクール・スマートな洗練された哀愁浪漫センスもしくは耽美センスをもチョチョイのチョイと発揮してのける、という、トータルなアウトライン・イメージとしては録音・製音面の意匠も手伝ってわりかしラフで荒削りっぽい豪快さを帯びた飾らない普段着感覚の弾鳴キャラ、にごくナチュラルに仕上げられており、その一音一音には決して過度に意気込まないスッキリ爽やか(&ちょっと涼しげ?)な趣があって好感度満点、説得力も絶大。

1. Butcher Block Ballet
2. Take The In Step
3. Tony's Tune
4. Simply Put
5. Curitiba Girl
6. House Rules
7. Autumn Bloom
8. Swea Peas' Savvy Sauve
＊all compositions by Jeremy Manasia

Jeremy Manasia (piano)
Ugonna Okegwo (bass)
Charles Ruggiero (drums)

2021年6月28日ニューヨーク市クイーンズ区アストリア(ロングアイランドシティ)のGB's Juke Joint録音

レーベル：Blujazz Productions

在庫有り
見開き紙ジャケット仕様CD