★テナーサックス、ギター、ベース、ドラムのノルウェー突出個性派精鋭陣が集結したプログレッシヴなカルテット:Master Oogwayのアルバム3作目、=女性フルート奏者:Henriette Eilertsenをゲストに加えた5人体制による、2020年8月から12月にかけてオスロのKafé Hærverkに於いて毎月行われていた定例マンスリー・ライヴで録られた音源をまとめた白熱編。
★一音一音を繊細に、丁寧に吹き放ってゆくようでありながら熱いパッションの爆発をも孕んだ感じのあるフルートの、ミステリアス&スピリチュアルかつしっかりグルーヴィー&ブルージーな吹奏が中々エモーショナルに力強く華を成し、ダーク&アーシーに滑りよく渦巻きウェイヴを描くテナーや、ちょっとアンビエントっぽいトリップ感を宿した半ノイジー音を掻き鳴らすギター、らの活躍もテイスティーに魅力を放った、全般にじわりじわりと煮え立ち沸騰してゆく情魂の推移の様を活写するかのようなエネルギッシュな熱演ぶりで、大いに昂揚させてくれる敢闘内容。
★ハード・バップやファンクのスタイルも消化した上での今日流のスピリチュアル・ジャズ、と云えそうな、ちょっとエキゾティックでもある舞踏的リズミカル・ビートに乗せた「魂の叫び!」風の快演がパワフルかつおおらかに展開され、半ばアブストラクトっぽいところもあるものの完全なフリーとまでは行かない「モード・ジャズ」らしい調性の枠内に留まりながら、奔放激烈な自由即興度の高いアクション・インタープレイが決然と推し進められる中で、Eilertsen(fl)、Skeidsvoll(ts)、Funderud(g)、らの腰の据わった伸びやかなインプロヴィゼーションが、それぞれユニークに旨味ある盛り上がりを呈して鮮度抜群に楽しませる。
★Eilertsen(fl)の、神秘的・夢幻的サスペンスと結構ダウン・トゥ・アースなブルース・テイスト=吟醸感とが表裏を成した、切々と唸るが如き絶妙に涼気をも含んだ流麗ブローイングが、一座の花形然とスター性十二分の美味しい煌めきを見せていて何より出色で、一方、暗く怪しい半抽象型のモゾモゾした蠢き技と、スタイルは異なるもののアルバート・アイラー辺りにも底通する牧歌的スピリチュアリティ表現=豪快咆哮、とを的確に使い分けるSkeidsvoll(ts)や、フリー色の強い猥雑な掻き乱し攻勢でゲリラティックに暗躍していたかと思えば、ジョンスコを想起させるコンテンポラリーなノリノリのファンク・ジャム的グルーヴ・プレイに転じたりもするFunderud(g)、らのドラマティックでゆとりあるメリハリの利いた遊撃ぶりも実に芳醇で好インパクト。
1. Heading Home
2. Happy Village
3. Speech!
4. Whispering Townsfolk
*arranged by Master Oogway & Henriette Eilertsen
Henriette Eilertsen (flute)
Lauritz Heitmann Skeidsvoll (tenor saxophone)
Håvard Nordberg Funderud (guitar, 12-string acoustic guitar)
Karl Erik Horndalsveen (double bass)
Martin Heggli Mellem (drums)
(恐らく2020年8月〜12月)ノルウェー-オスロのKafé Hærverkでのライヴ録音
(2022年作品)
レーベル:
Rune Grammofon
在庫有り
三面デジパック仕様CD