CATFISH RECORDS

★出身地である伊レッチェ県を主たる拠点として活動しているイタリアン・ピアニスト：ジュゼッペ・マガニーノ(1977年イタリア-レッチェ県ガッリーポリ＝Gallipoli生まれ)の、トリオを基本とした自作曲メインの初リーダー・アルバム。

★端正できめ濃やかかつキレのある、透徹な水晶をセンシティヴに転がしてゆくようなクリアー・タッチのピアノが、鋭くダイナミックに硬質的アクションをキメながら、同時に繊細で奥深い憂愁的情景の機微やロマンティシズムをも潤沢に描き出す、剛柔併せ持った躍動型のリリカル・プレイを流麗滑脱に繰り出して瑞々しくもちょっと儚げな華を成し、ベース&ドラムの節度をもって控えめにピアノを盛り立てつつ適度にフェイントっぽく意表も衝いてくる遊撃力充分のサポートも、実に的確にグルーヴとスリルを齎してこれまたフレッシュな魅力を放った、全編現代ヨーロピアン・リリシズムの真髄を見る思いの唯美性溢れる快演が連続して、その詩的空間に心地よく浸れる会心打内容。

★歌心＝メロディーや和声の美しさと敏活で歯切れのいいノリ、をあくまで大切にした、コンテンポラリーなリズミカル・ビートに乗せての思わずうっとりするほど綺麗で折り目正しいデリカシーに富んだアクティヴ抒情派演奏、が小気味よくも細やかに展開され、サイド陣の機智・機転を感じさせる、それでいて巧みなさ・衒いなさが勝った印象のごく自然に細かく起伏を織り成す何げにパーフェクトな高密度のバックアップ、も終始きららかに際立つ道程の中で、マガニーノ(p)のメロウ・テンダーでありブルージーでもあるどこか悠然と構えた風な落ち着きある語り口が、オリジナル曲の曲想に顕れるヨーロッパ特有の耽美性や文学色、エレガンスに浪漫といった要素と連動して、たおやかにそよ吹く清風の如き鮮度抜群にして余情深い妙味を揮いきっており、全く見事。

★ビル・エヴァンス、キース・ジャレット、チック・コリア、ハービー・ハンコック、マッコイ・タイナーらの奏法・スタイルを十全に消化した上で最早その出所がわからない程しっかりと独自の個性を確立している弾鳴、→ある時は物悲しく哀切に翳ったロマンティック情緒をしっとりと映し、ある時は欧州流の牧歌的フォーキー・ブルース世界を吟遊詩人っぽくややおおらかに唄い上げ、またある時はクラシックやニューエイジ系に接近した優雅さと幾何学性混在のジグザグ凹凸感ある立ち回りワザを静かに炸裂させもし、時にはアメリカン・ストレートアヘッド路線に大きく寄せたブルージー・スインギー・プレイを粋渋に決めたり(#6とか)もする、という、そうした、自在でありあくまでサラリと簡潔な文脈にまとめ上げて見せるストーリーテリングの妙は、中々含蓄にも富み鮮麗この上ない。

1. Mi Vida 8:33
2. Deja Vu 4:27
3. A Long Journey 8:26
4. Dancing With Shadows 5:14 (solo piano)
5. My Inner Child 4:19
6. Conversando Con George 3:40
7. Nelle Tue Mani 4:52
8. I Loves You, Porgy 3:35 (solo piano)
※all composed & arranged by Giuseppe Magagnino except #8 G.Gershwin

Giuseppe Magagnino (piano) (keyboard on 7)
Luca Alemanno (double bass except 4, 8)
Karl-Henrik Ousbäck (drums except 4, 8)
Unknown (female voice on 5)

#1,#2,#3,#5,#6,#7：2021年8月9日&10日イタリア-レッチェ県グアニャーノ(Guagnano,Lecce)のSudestudio録音
#4,#8：2021年11月8日イタリア-レッチェのTeatro Oratorio Don Oriona Arnesano録音

レーベル：GleAM Records

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