★東京・六本木の人気老舗ジャズクラブ「JAZZ HOUSE alfie」のライヴ録音レーベル:Live at alfieの第二弾作品、=1970年代後期より40余年に渡って首都圏のライヴ・シーンで活躍を続けてきたヴェテラン・ピアニスト:森田潔(1959年埼玉県生まれ)の、満を持しての初リーダー・アルバム。編成は、ベース&ドラムとのトリオと、それにアルトサックスの加わったカルテット、とで半々ずつ。
★ゴツッとした固く重厚で濃い暗影と鋭角的キレのよさあるストーン・タッチのピアノが、殺陣風のバップ・イディオムもしくはモード・イディオムを活かしたソリッド&スクエアーなダイナミズム表現=力学的フレージングを根幹とし、ファンキーであったりスマート・ロマンティックであったりの抒情的メロディック節も豊富に散りばめてゆく、極めてオーソドックスなちょっと渋めの吟醸感漂う正攻法プレイを中々丹念に紡いで含蓄深げに悠々たる魅力を発揮し、中盤から登場してくるアルトサックスの、締まりとユルみの合わさった美味トーンによる情熱的でアーシーな気合のこもった吹奏も鮮烈に華を添えた、全編現代ハード・バップの正統らしいド真っ当快演が連続して小気味よくノセ、また和ませてくれる安心の好内容。
★歌心とスイング感に潔くポイントを絞り込んだ、気さくそうな人情味溢れる威勢よくもハートウォーミングでごく親しみやすい大衆娯楽指向のスウィンギン・バピッシュ演奏が、嬉々溌溂かつ和気あいあいと展開され、ベース&ドラムの確固と安定律動するツボを心得た鉄板バックアップ、に頼もしくも歯切れよく支えられ、プッシュされて、森田(p)や佐藤(as)の腰を据えて伸び伸びと得意技を揮いきるアドリブ活躍が、実に豊饒なる盛り上がりを呈して快調だ。
★森田(p)の、ひたすらオーソドキシーに徹して巧まず抑制の利いた質素で翳り濃く滋味漂う「義理人情」めいたコク旨ブルージー弾奏、をどこかしら恬淡と繰り出し続ける、結構頑とした職人気質っぽい堅実にして揺るぎないその燻し銀的な醸熟の真性バッパーぶりが、余情豊かで懐の広そうな焦らずリキまぬ泰然自若の妙味をシッカと放っていて誠に風流この上なく、かたや佐藤(as)の、より若々しいフレッシュネスや適度な尖り感、白熱したパッショネートさを湛えた奮戦の様も、森田とは好コントラストを成して上手い対峙具合。
1. What Is This Thing Called Love
2. Spring Water
3. Tenderly
4. HADO
5. Little Ryo
6. Body And Soul
7. Manha De Carnaval
8. It Could Happen To You
森田 潔 (piano)
千北 祐輔 (bass)
山崎 隼 (drums)
*guest:
佐藤 敬幸 (alto saxophone on 4, 5, 6, 8)
2022年4月東京都港区六本木 Jazzhouse ALFIEでのライヴ録音
(2022年日本作品)
レーベル:
LIVE at alfie
在庫有り
W紙ジャケット仕様CD