★好評NoBusinessのサム・リヴァース(ts,ss,fl,p,vo)(1923年米オクラホマ州エル・リーノ生まれ、2011年フロリダ州オーランドで死去)未発表音源アーカイヴ・シリーズ、第6弾となる今回は、このメンツで「Concept」や「Firestorm」等の傑作を残しているダグ・マシューズ(b,elb,bcl)&アンソニー・コール(ds,ts,p)との鉄壁トリオによる、2002年3月9日ニューオーリンズ、Contemporary Arts Center内の劇場(Freeport-McMoRan Theatre)での怒涛の白熱ライヴ編。
★冒頭、アブストラクトでアナーキーな徹底した「奇音」ぶりを競い合うかのような2ピアノのパーカッシヴ即興バトルが不屈に、屈強に繰り広げられて怪しい昂揚感が問答無用に齎され、これに太く重厚なトーンで結構スピリチュアル&グルーヴィーに絡みつきまとわりついてくるベースの攻勢も、しっかりテイスティーに際立ち、ピアノ陣の対決は更にヒートアップして打楽器的パワー・ミュージック傾向と幾何学的クールネスのない交ぜになったただならぬ、異様に切迫した盛り上がりを見せてゆき、しかしこのトラックの終盤ではリズミカル・スウィンギンでブルージー・メロディックな意表を衝いた歌謡グルーヴ物っぽい急転回へと突入するなど、全体を通じ一切手加減なしに伸び伸びと完全燃焼するフリー・インプロヴィゼーション激突の凄絶なまでのスリルと興奮そして旨味を、先読みできぬ進行でこってり満喫させてくれる超濃密内容。
★純然たるインプロヴァイズド・ミュージックらしい奔放激烈な格闘技戦めいた迫真のエキサイティングさと、「曲」の様式・構造や抒情性を堅持した明快エンタテインメント指向、とが上手く振り分けられながらの山あり谷ありの起伏に富んだ行き方が続き、三者が一丸となってモーレツに爆走するグループ表現の緊密度と、銘々が腰を据えて妥協なく必殺至芸を揮いきる個人プレーの充実、とで大いに楽しませてくれる。
★リヴァースのソプラノとコールのテナーの絡みを中心とした#3での、曲らしく始まりながらも次第にハードさを増してインプロ激闘の様相を呈してゆくピリッとした展開や、テナーを吹くリヴァースの至極真っ当なメロディストぶり&ロマンティストぶりが全開で揮われるリリカル・ハード・バップ調の#4、リヴァースがフルートを吹きこれまたノーマルにまろやか&涼やかなブルージー節を綴るファンク・ジャズ路線の#6、一転して苦味走ったスピリチュアル系フリー・ジャズ・スタイルのシビアな即興大会が決然と推し進められるサックス・トリオ体制での気魄満点の#7(リヴァースはソプラノをプレイ)、など、硬軟併せ持った生々しい道筋形成で清新なる張り詰め気分と美味しい高揚が一瞬も途切れない。見事! エレキベースでのグルーヴ醸成に際立った妙味を発揮するマシューズの活躍も好インパクト。
1. Improvisation I 17:20
2. Bass Solo 2:11
3. Unity 4:09
4. Beatrice 5:30
5. Drum Solo 2:58
6. Improvisation II 11:19
7. Offering 8:47
8.
Improvisation III 18:25
Sam Rivers (tenor saxophone, soprano saxophone, flute, piano, vocal)
Doug Mathews (upright bass, electric bass, bass-clarinet)
Anthony Cole (drums, tenor saxophone, piano)
2002年3月9日米ルイジアナ州ニューオーリンズ、Contemporary Arts CenterのFreeport-McMoRan Theatreでのライヴ録音
レーベル:
NoBusiness
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