CATFISH RECORDS

★フランスのヴェテラン・サックス(本盤ではテナーをメインに一部ソプラノやバリトンもプレイ)奏者：ジャン=ミシェル・プルースト(1957年生まれ)のギター入りカルテットによるバルネ・ウィラン・トリビュート・アルバムの第2集。

★前作とはベース&ドラムが交代しており、ゲストとして女性ヴォーカルが1曲に加わる。

★端正できめ細やかな涼感漂うギターの調べに導かれて、弾性や丸みある、それでいてしなやかな張り&伸びをも呈する肉太トーンのテナーが、歌謡性とブルース・フィーリング全開で朗々と吟醸節を綴り、或いはまた、レイシーとS・ベシェの間を往来するようなソプラノが哀切に囀ったり、マリガンとP・アダムスの中間ぐらいなバリトンが落ち着いた寛ぎブロウを繰り出したりもして、ハートウォーミング&テイスティー・グルーヴィーに悠然と華を成した快適内容。

★和気あいあいそうな温かいリラクゼーションが変らず根底に漂い、メロディーの美や抒情性と歯切れのいいスウィンギン&ダイナミックなグルーヴ感をあくまで大切にした、親しみやすく取っ付きやすい歌物娯楽指向の鑑!とも云うべき人情肌ハード・バップ奏演、がなごやかに、そして愉しげに展開され、1作目に比して自己主張の強くなった分厚いベースやパンチ&シャープネスを増したドラム、という新規登用メンバーの活躍も鮮やかに際立つメリハリ充分の道程の中で、プルースト(ts,ss,bs)の、マイペースで伸び伸びと哀歓を歌い上げる流麗この上なきアドリブ・プレイ、＝生粋メロディスト&生粋スインガーぶりが旨味もたっぷりに冴えてゴキゲンだ。

→前作よりも丸っこさ・流線形っぽさを増した風合いの、ハード・ドライヴ感と柔和な暖かみが絶妙に混在する抜けのいいテナー・ブロウが絶好調で、ゲッツにも似た波乗りアタック調の晴れやか節や、よりレイジー&デカダンな物憂げフレージングなど、今回はわりかしレスター系に接近した落ち着きと寛ぎを保ちながらのまろやかでスムースなゆとりある唄いっぷりに、懐深い無双の魅力が発揮されていて絶品。一方ボルディエ(g)の、クール・メロウな中にも硬質感やスクエアー・バップ・テイストのしっかり強化されたアクション攻勢もまた、1作目とは一味違った鋭い煌めきを感じさせて好インパクト。

01. Une Rumba Légère (Jean-Michel Proust & Patricia Bonner)
02. A Taste Of Honey (Bobby Scott & Rick Marlow)
03. Like Someone In Love (Jimmy Van Heusen & Johnny Burke)
04. Never Let Me Go (Jay Livingston & Ray Evans)
05. Without A Song (Vincent Youmans)
06. My Funny Valentine (Richard Rodgers & Lorenz Hart)
07. On Green Dolphin Street (Bronislau Kaper)
08. Swing 39 (Django Reinhardt)
09. Tears (Django Reinhardt)
10. There Is No Greater Love (Isham Jones & Marty Sims)
11. Parlez-Moi D'Amour (Jean Lenoir)

Jean-Michel Proust (tenor saxophone except 01, 02, 04, 11) (soprano saxophone on 02, 04, 11) (baritone saxophone on 01)
Jean-Philippe Bordier (guitar)
Nicola Sabato (double bass)
Germain Cornet (drums)

＊guest：
Patricia Bonner (vocal on 01)

2021年5月29日フランス-パリのPiccolo Studio録音
(2022年フランス作品)

レーベル：Frémeaux & Associés

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スリーブケース仕様CD