★1930年代末期よりプロ活動を行い、1940年代にはニューヨークへ進出、ベン・ウェブスターのサイドで頭角を現し、チャーリー・パーカーやデクスター・ゴードン、レスター・ヤングらとも共演、ニューヨークでの活動(1950年代にはジェイムズ・ムーディーやバディ・テイトらとレギュラー活動)の他、1949年から1950年にかけて、並びに1966年から1976年にかけてはカナダのモントリオールを拠点に活躍したモダン・ピアノの逸材：サディク・ハキム(別名:Argonne Dense Thornton)(1919年ミネソタ州デュルス生まれ、1983年ニューヨークシティで死去)(1922年生まれ説もあり)の、本盤は、カナダでの活動に区切りをつけニューヨーク・シーンへ復帰してプレイしていた1977年6月、に吹き込まれた(於NY)トリオ演奏集・2連作のうちの一つ「Resurgence」のCD化版。
★ゴキッと固く厚みと鋭角性そしてキレがあり確たる堅牢性の備わった岩石風タッチのピアノが、殺陣の型を厳守するかのような伝統的バップ・イディオムを根幹とし、瀟洒な歌心やファンキーなブルース要素も絡めつつシャキシャキと歩を進める硬派で渋〜い燻し銀プレイ、を迷いなくちょっとストイックげに紡いで雄々しくも粋な華を成し、弾力感に富んだよく歌う闊達ベースや歯切れよく敏活に律動するドラム、らもツボを心得た手堅いバックアップでノリとウマみを頼もしく底上げした、全体を通じオーソドックス志向なビ・バップ系ピアノ・トリオの醍醐味を心ゆくまで満喫させてくれる、鉄板の充実内容。
★アメリカ黒人流のシブめ小唄的メロディーの美と、正統派バップ・ジャズならではの強固なダイナミズム〜力学性やスイング感、を何より大切にした、漆黒のブルース・テイストにも富む律儀で頑固一徹そうな求心力抜群のソリッド&スクエアー熱演、が中々ハードボイルドに、かつ娯楽活劇気分一杯に力強く展開され、ハキム(p)の、年齢的には後輩にあたるバド・パウエルやバリー・ハリス辺りの芸風を真摯に研究し消化した印象の、ひたすらシンプル・ストレートで一切ブレるところのない、硬質にして真っ直ぐな人情味が音の端々から滲んでくる、熟練した名人芸的なアドリブ妙技がただならぬ安定感や大地に根の生えたような重み、ストロングネスをもって雄渾に冴え渡っており、全く壮快だ。
→陰影も濃く圧倒的に強堅ハードな岩石をぶつけてくる、或いは転がす、感じのゴツゴツしていながらしっかり旨味に溢れた弾鳴のあり様は、とことん明快鮮明で十全に吟醸された濃い口な魅力に満ちており、時折挿入される軽涼な玉転がしっぽいブロック・コードを使ったレッド・ガーランドにも通じる寛ぎファンキー節なども含め、全身これ熟成度120%のシブ旨なコクと化したが如きそのサウンド・キャラには、天下一品・無敵の雅趣がこってり感じられて卓抜。結構コンテンポラリーな歌謡フレーズを賑々しく差し挟んでくるウォルターズ(b)の、ドライヴ感全開の猛烈攻勢も好アクセント。
1. Dear Old Stockholm ディア・オールド・ストックホルム (Trad.)
2. Easy To Love イージー・トゥ・ラヴ (Cole Porter)
3. The Wright Way ザ・ライト・ウェイ (Sadik Hakim)
4. Down By The Ferry Dock ダウン・バイ・ザ・フェリー・ドック (Sadik Hakim)
5. Milestones マイルストーンズ (John Lewis) (solo piano)
6. Little Train リトル・トレイン (Villa Lobos)
Sadik Hakim サディク・ハキム (piano)
Errol Walters エロール・ウォルターズ (bass except 5)
Taro Okamoto 岡本 太郎 (drums except 5)
1977年6月21日ニューヨークのDowntown Sound Studio録音
レーベル：
Solid ウルトラ・ヴァイヴ (Ultra-Vybe) Progressive
最新リマスター、日本語解説書き下ろし
在庫有り
国内制作・限定生産CD
