★Ubuntu Musicよりの近作「From This Moment On」も好評を博していた、英ロンドンを拠点に活動しているピアニスト:ロブ・バロン(英国のイーストヨークシャー生まれ)の、本盤は、これがデビュー・アルバムとなったギター入りカルテットによる2016年発表の自主製作の一編。
★歯切れよくも折り目正しく精緻さを感じさせる堅固なストーン・タッチのピアノが、バップやブルースの伝統的語法に則りながら吟醸歌謡っぽいメロディーを朗々と快活に紡ぐ旨口プレイ、を中々ダイナミックに繰り出して粋でイナセな華を成し、一方、一音一音から潤いとウマみがたっぷり滲み出てくるようなデリシャスなトーンのギターも、これまた勇み肌で渋いブルージー技を小気味よくキメてコクのある彩りを添えた、全編直球指向のド真っ当なバピッシュ・スイング大会が横溢して殊の外テイスティー・グルーヴィーに愉しませ、ノセてくれる好演内容。
★歌心とスイング感にポイントを絞り込んだ、ブルース色も濃くモード・テイストはさほど感じられない、「潔し!」の昔気質な純正ハード・バップ・タイプの大衆娯楽的メロディック・スインギー演奏がひたすら明快晴朗に、嬉々溌溂かつ和気あいあいそうに展開され、躍動的で抑揚も烈しいアクションをもって深く寛がせてくれる、という洒脱派の鑑とも云えるノリノリな道程の中、ベース&ドラムのばっちりツボを心得た手堅くも機動力ある的確なサポートに頼もしく支えられながら、バロン(p)とオクスリー(g)のダブル主役連がどこまでも伸び伸びと歓喜に満ちた表情で、親しみやすさも抜群のハートウォーミングにしてグルーヴ溢れるアドリブ妙技を披露して、ゴキゲンな豊饒地帯を創出してゆく。
★バロン(p)の、伝統的バップ・イディオムを根幹としつつ哀愁小唄的なマイルド・テンダー節やブロック・コードを活かした軽涼感あるファンキー・フレージングなども適所適量盛り込む、という徹底してオーソドックスな伝統芸能的アプローチを貫いているものの不思議と古さは感じさせず、自ずと当世流のサウンドにアップデートされた、その一打一打から何とも清々しく爽やかな青嵐が吹いてくる感じの弾鳴キャラが好感度満点で、かたやオクスリー(g)の、クリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターの本道スタイルを基調とし、時折ベンソン〜グリーン辺りに通じるアーシーでソウルフルな芳醇ワザも滑り込ませてくる、極めてブルース・フィーリングに富んだ雄々しき立ち回りも、こってりアジに際立っている。
01. Too Close For Comfort
02. Grooveyard
03. We'll Be Together Again
04. Dream Dancing
05. Who Cares
06. Lush Life (p-b-ds trio)
07. Angel Eyes
08. These Foolish Things
09. Blues In The Moment
10. Moonlight In Vermont
Rob Barron (piano)
Colin Oxley (guitar except 06)
Jeremy Brown (double bass)
Josh (Joshua) Morrison (drums)
2016年英国作品
レーベル:自主製作
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デジパック仕様CD
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