★Chromatic AudioやCellar Liveにリーダー録音を残す、モントリオール出身のカナディアン・ギタリスト:サム・カーメイヤー(32歳)のアルバム3作目、=テナーやトロンボーン、ピアノの入ったセクステットによる自作曲集。
★骨芯の堅固さを感じさせ一音一音からコクっぽい旨味が溢れ出てくるような太く厚みある鉄板トーンのギターが、アーシー&バピッシュにイナセ肌の吟醸節を雄々しく繰り出し、またある時はより線を細めたクール・スマートな抒情的フレーズも絡めてメリハリをつけつつ、安定感ある中々芳醇な華を成し、一方、渋〜い燻したような翳&煙霧を振りまく純ハード・バップ調と熱血アグレッシヴなモーダル攻勢を上手く使い分けるテナーや、ダウン・トゥ・アースでソウルフルな温もりも満点のトロンボーン、ガキゴキと鳴る岩石タッチでスクエアー・バピッシュに足元を固める反面モード色を強めたアツい疾駆驀進ぶりも見せる精悍なピアノ、らの活躍もそれぞれにしっかり濃い鮮烈な彩りを頼もしく添えた、全編硬派で勇壮そしてスケールの大きな渾身の敢闘が横溢して、殊の外テイスティー・グルーヴィーに昂揚させてくれる充実内容。
★キリッと苦味走っていながらブルージーな歌心も潤沢に備わった、現代バピッシュ・ジャズの本道をまっしぐらに突き進むハードボイルドな娯楽活劇的ダイナミック・スウィンギン熱演!、が雄渾かつ剛健に展開され、バンド全体を地の底へじっくり降りてゆくような濃い口のブルース世界に引き込むカーメイヤー(g)&Abdul Al-Khabyyr(tb)、それに対してバップとモードの間を敏活に往来して劇的色彩変化をつけるMcLean(ts)&Fyfe(p)、の各々ソロ・プレイが按配よく配置されて、新鮮味も絶えることなくカラフルで非常に密度の高い道程が堂々立ち現れており見事。
★カーメイヤー(g)の、クリスチャン〜ケッセル系バップ・ギターのオーソドキシーに則った手堅いシブめの立ち回りと、ベンソン〜グリーン的な黒い旨口ブルージー技、とをバランスよく嚙み合わせ、時にはファーロウやバレルを彷彿とさせるハード・ドライヴィングな速攻「太斬り」フレーズも炸裂させる、一貫して粋で勇み肌なジャズ・ギターの鑑とも云うべき凛としたその奮戦がとりわけ清やかに際立っており、また、結構泥臭く豪快武骨に唸り吠えるMcLean(ts)、おぼろなウォームネスと漆黒のソウル・テイストこってりの端正さあるブロウでカーメイヤーの勇躍に援護射撃を加えるかの如きAbdul Al-Khabyyr(tb)、そしてわりかし頑固一徹そうに殺陣的硬質弾奏を貫いて抑え役を担うFyfe(p)、らの追い上げ様、並びにさりげなく精妙巧緻にキッチリ設計され構築されたアンサンブル・ワークの齎す洗練味や様式美、といった辺りも魅力十二分で大いに満腹させられる。
01. The Turnout
02. Cross Purpose
03. Sleight Of Hand
04. Blues For Proskurov
05. Afterthought
06. The New Same Old
07. In This Moment
08. Lost In The City
09. Quixote
10. Soliloquy
Muhammad Abdul Al-Khabyyr (trombone)
Al McLean (tenor saxophone)
Sam Kirmayer (guitar)
Sean Fyfe (piano)
Alec Walkington (bass)
Andre White (drums)
2021年4月29日&30日カナダ、モントリオールのStudio Piccolo録音
レーベル:
Cellar Music (Cellar Live)
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見開き紙ジャケット仕様CD