★ニールス・ペデルセンの後任としてオスカー・ピーターソン・トリオのレギュラーを務めたこともあった、カナダきっての腕利きベーシスト：デイヴ・ヤング(1940年カナダ-マニトバ州ウィニペグ生まれ)の、本盤は、レグ(レジ?)・シュワガー(g)らとのトリオに加えてゲイリー・バートン(vib)をゲストに迎えた(3曲参加)1997年9月トロント録音の傑作(Justin Time原盤 JUST 110-2)、の初日本盤化。
★おぼろに霞むようでいてしっかりバネの利いた力強い躍動を見せるベースの、重厚かつ敏活な、ドライヴ感もみなぎった鳴り様、に頼もしく支えられ、また触発されながら、パーカッシヴさとブルージーさの間を流麗に往来する清涼感一杯のヴィブラフォンや、アーシー&ソウルフルでありスクエアー・バピッシュでもあるコクを含んだギター、らがスインギーそしてテイスティーに何とも粋な見せ場を飾ってゆく、全体を通じ徹底してメロディアスでブルースとバップに由来した吟醸感に溢れ、しかも肩の力は絶妙に抜けていてレイドバックした独特の渋〜いリラクゼーション満点の音空間に心地よくハマらせてくれる、白眉の充実内容。
★歌心とスイング感を何より大切にし、スモーキーな翳りやけだるさが程好く自然によぎってゆく感じの、燻し銀的なリリカル・バップ妙演が滑脱に、濃やかに展開され、インティメイトで温かな和み気分が絶えず底流し、と同時に歯切れよくダイナミックな骨太い「ノリ」も醸成される推進力十二分の道程の中で、ヤング(b)の中々表情多彩で雄弁な、実によく歌うソロ活躍も適所で悠々フィーチュアされる一方、シュワガー(g)やバートン(vib)のスター性溢れるアジなアドリブ奮戦が華やかに、美味しく座をさらって快調だ。
★シュワガー(g)の、伝統的バップ・イディオムに則った細かく角折れするかのような硬質感ある殺陣アクション風フレージングと、より黒くダウン・トゥ・アースなブルース・テイスト濃いイナセ節・鉄火節、とを細かに織り混ぜて「醸熟の道」を突き進んでゆく、硬派で勇み肌な立ち働きが堅実かつ芳醇に節度をもって冴え渡っていてすこぶるゴキゲンで、かたやバートン(vib)の、ブルージー・バピッシュな粋渋旨口の正攻法アプローチをあくまで根幹とするも、そこかしこで特有の思索性や理知的クールネスが巧まず顔を出す、辺りの個性派キャラがまた、決して尖りすぎぬ上手い塩梅の調味効果を上げていて、その音響の心地よさとともに好インパクトを残す。
★度々浮かび上がるヤング(b)の太々としていつつ鋭敏でもあるメロディックな個人プレーも奏効して、全編に渡りハートウォーミング&グルーヴィンな安心して愉しめる音景色に余裕で仕上げられた、さすが熟達の逸品。
1. インナー・アージ
2. アワ・ワルツ
3. イット・ドント・ミーン・ア・シング
4. サー・ウィリアム
5. ジンガロ
6. ボリヴィア
7. サーム・フォー・E.M.
8. イリー
Reg Schwager レジ・シュワガー (guitar)
Gary Burton ゲイリー・バートン (vibraphone on 1, 3, 6 only)
Dave Young デイヴ・ヤング (bass)
Michael(Michel?) Lambert マイケル(ミシェル?)・ランバート(ランベール?) (drums)
1997年9月22日カナダ-トロントのReaction Studio録音
レーベル：
Solid ウルトラ・ヴァイヴ(Ultra-Vybe) Justin Time
◎最新リマスターCD
◎日本語解説書き下ろし
◎オリジナルジャケット使用
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国内制作CD
