★自主盤やMuzakの過去作品群がいずれも好評だった、米シカゴ・シーンで活躍する女性歌手:ペトゥラ・ヴァン・ナウスの、馴染みの相棒=ギタリスト:アンディー・ブラウンとのデュオによる、今回は故ジュリー・ロンドンに捧げられたトリビュート・アルバム。
★きめ濃やかでメロウ&センシティヴな、ニュアンスに富んだ温もりあるギターの調べに優しく小気味よく導かれながら、スキッと爽涼な清風を思わせる中高音の澄んだクリーン・ヴォイスが、巧まずして自在にしなやかな張りや伸びをも表しつつ、歌詞の情緒やメロディーの美を一つ一つ慈しみ噛み締めるかのような、真心こもったどこまでも繊細で丁寧な落ち着いた息遣いのリリカル歌唱を端正に綴って、切々と聴く者の胸に迫るエモーショナルな趣と結構サラリとした幾分か恬淡で軽妙洒脱な味わいの混在した、ひたすらマイルド・テンダーかつクールさとハートウォーミングさがごく自然に並立する誠に含蓄豊かで風流な華をちょっと控えめに、折り目正しく飾った、ソフィスティケートでありしみじみとしてもいる絶妙の快適充実内容。
★全体を通じ極めて親密な打ち解けた和気や寛ぎが変らず底流し、やや狭めのラウンジ或いは四畳半的な気楽で居心地のいい空間の中で繰り広げられるナチュラル・フレンドリーな夜想的小唄セッション、といった雰囲気の、二人の息もピッタリ合ったまろやか&柔らかでリラクシングな行き方が続き、脱力した自然体でありながら一定の節度や気品を決して失うことのない両者の、気さくさと薫り高いエレガンスが表裏一体を成した筆致のあり様に思わずうっとり陶酔させられるロマンティック・ドリーミーこの上なき道筋の途上、花形を務めるペトゥラ(vo)の、リキみなく衒いやケレンを排してひたすら誠実真摯に、素直に歌曲と向き合った機微&ウィットあるデリケートな節回しが瑞々しく冴えて、何とも爽快だ。
→清楚可憐でラヴリーなキューティー・キャラを基本身上として、柔和さ・甘美さそして抜群の生鮮さを振りまきつつ軽々語りかけてくる感じの穏やかな、優しい文体が今回も好調で、愛らしさと同時に声音そのもののヒンヤリ冷涼な感触が奏効して自ずと凛々しさ・背筋の伸び具合も醸し出されるバランスのあり様も卓抜に、トータルとしては小粋で瀟洒でちょっぴり儚げなさりげなく幽玄深き歌声にサラッと、スッキリと仕上げられているという、アルバムとしてはトリビュート企画ながら殊更に仕掛けは用意せずいつも通りの等身大な自己流を貫いた、そうした芸風・作風が好感度満点、説得力も絶大。
01. ロンリー・ガール
02. トラベリン・ライト
03. ユーヴ・チェンジド
04. この世の果てまで
05. サムシング・クール
06. ヒアズ・ザット・レイニー・デイ
07. ミーニング・オブ・ザ・ブルース
08. ブルース・イン・ザ・ナイト
09. イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド
10. アイ・シュッド・ケア
11. ベイビー・ウォント・ユー・プリーズ・カム・ホーム
12. 春なのに
13. クライ・ミー・ア・リヴァー
Petra van Nuis ペトラ・ヴァン・ナウス (vocal)
Andy Brown アンディ・ブラウン (guitar)
2021年8月録音
レーベル:
Muzak
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国内制作CD