★依然としてそのトンガり具合にいささかも揺らぐところのない、お馴染み尖鋭派アルトサックスの重鎮:ティム・バーン(1954年ニューヨーク州シラキュース生まれ)が、盟友クリス・スピード(ts)そしてバッド・プラスの鉄壁リズム:リード・アンダーソン(b)&デイヴ・キング(ds)と2017年に結成した4人組プロジェクト=Broken Shadowsの、これは、オーネット・コールマン、デューイ・レッドマン、チャーリー・ヘイデン、ジュリアス・ヘンフィルらの作品を奏した2018年5月NYC録音のスタジオ・アルバム(元々Newvelle Recordsからアナログ・レコードで2019年に出ていたものに、2曲プラスしてコンプリート化したIntaktのCDの日本仕様版)。
★荒々しく豪快に跳ね、転がり躍りながらしかしキッチリ安定したスイング感を醸成する、ドラム&ベースのゲリラティックでワイルドなダイナミズム攻勢に上手くノセられて、フロントの2サックスのややアブストラクトでいて明るくカラッとしたおおらかな開放感あるアンサンブルや、暗影濃く不機嫌そうな面持ちでけだるくのたうつかのようなテナー、並びに、怪しさの中にもしっかりブルースの旨味を宿したアルト、のソロ合戦あるいは掛け合いキャッチボールが中々テイスティー・グルーヴィーに盛り上がりを呈してゆく、全般に奇異さと晴朗さが自然に同居したコクのある会心打内容。
★オーネット・コールマンのピアノレス・コンボのスタイルを凡その出発点としつつ、より機動力・瞬発力を増した現代感覚溢れる、そして各人の自由奔放なアドリブ妙技も鮮やかに結実した、それでいて決して冗長になることなくあくまでサラリと簡潔なまとまりを見せる、メリハリの利いた快速テンポの半抽象的リズミカル・アクション熱演が軽快に、飄々と展開され、アンダーソン(b)やキング(ds)の遊撃戦を仕掛けてゆくが如き奇襲アタック!に触発されながら、結構武骨なスピード(ts)や変幻自在なバーン(as)らのアドリブ奮戦が、ノリよくもこってり濃厚に冴え渡って好調だ。
★バーン(as)の、自由苛烈、縦横無尽に空間全域を激しく駆け巡る中で、しっかり熟成された吟醸的ブルージー・ソウルも自ずと滲ませる、軽やかでありつつ重量感もちゃんとある旨口な遊泳ぶりが何とも鮮麗に映えており、一方スピード(ts)の、ちょっと怪異な獣が蠢き暴れる風な、わりかし泥臭いところのある唸り技〜咆哮の様もこれまたバッチリ芳醇で味わい深い。
01. Street Woman 2:34
02. Body 3:36
03. Toy Dance 4:01
04. Ecars 3:53
05. Civilization Day 2:07
06. Comme Il Faut 3:22
07. Dogon A.D. 6:58
08. C.O.D. 3:04
09. Una Muy Bonita 3:54
10. Song For Ché 3:07
11. Walls-Bridges 2:36
12. Broken Shadows 5:13
Tim Berne (alto saxophone)
Chris Speed (tenor saxophone)
Reid Anderson (bass)
Dave King (drums)
2018年5月21&22日ニューヨークシティのEast Sound録音
レーベル:
Nadja21 (Intakt原盤)
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