★ジアンニ・バッソ(2009年没)のサイド等で腕を揮ってきたイタリアのキャリア豊富なテナー(&ソプラノ)サックス奏者(バリトンを吹くこともある):フルヴィオ・アルバーノの、人気ピアノ:マッシモ・ファラオ以下の腕利きリズム隊を伴ったワンホーン・カルテットによる、アルバム・タイトルに違わず昔気質のオールド・ファッションな生粋(男気!)ハード・バップが横溢する、2012年7月録音のスタンダード集、の新装再発版。
★肉太く引き締まった風合いを呈しながら、しなやかな伸張力と流線的スムース感を併せ持ち、時には直線的な力強い鉄板っぽさを垣間見せるところもある、表情に富んだ旨味もたっぷりなトーンのテナーが、流麗滑脱さと爆裂的パンチ・アタック性を渾然一体化させたハード・ドライヴ感満点の豪快ダイナミック咆哮!、をイキイキと轟かせてスケールもデカい雄渾なる華を成し、一方、ファンキー・テイスト濃いスクエアー・バピッシュな躍動ぶりでこれに嬉々として拮抗するピアノの活躍も、ばっちりテイスティー・グルーヴィーに頼もしく彩りを添えた、全編徹底してド真っ当な娯楽指向の好演が続いてスカッと愉しませてくれる壮快内容。
★和気あいあいの楽しげリラックス・ムードを底流させつつ、全力を出しきったパワフルで敏活なノリや雄大さもシッカと醸し出される、一貫して歌心とスイング感の体現に潔くポイントを絞り込んだ、単純明快で親しみやすく気さくそうな人情味溢れる大衆芸能的エンタテインメント奏演、が溌溂とおおらかに展開され、中々威勢よく猛ハッスルするファラオ(p)以下リズム・セクションの、ツボを外さない堅実にして豪胆さも覗く安定のサポート、にガッチリ支えられながら、アルバーノ(ts)の、ひたすら正々堂々とハード・バップ・テナーの王道ド真ん中を驀進して悔いなし!、といった感じの直球勝負に徹しきった輪郭も極めて鮮明なアドリブ奮戦が、吹き抜ける青嵐の如く清やかに冴え渡ってすこぶるゴキゲンだ。
→スコット・ハミルトンやハリー・アレンにも通じる悠々とした波乗り調子の滑りよきまろやか寛ぎブロウと、エリック・アレクサンダーやグラント・スチュワートを想起させるところもあるドッシリ重厚でソリッド・ドライヴィングな剛健ストロング・スタイル、が自然に掛け合わされ、トータルとしては幾分スモーキーに翳った音色の渋さも効いて、重心にいささかもブレるところのない「武骨なタフガイ」然とした昔気質の燻し銀的吹鳴キャラ(豪放磊落!)が好もしく確立されており、取っ付きやすさ抜群かつ説得力絶大。
★数曲でソプラノに持ち替えるが、コルトレーン的行き方には決してならず、むしろシドニー・ベシェやラッキー・トンプソン辺りの流れを汲んだ、感触も殊の外まろやかな優しい哀愁風味一杯のアプローチを貫いている、辺りも実にイイ感じ。
01. Wee-Dot
02. Poinciana
03. On A Slow Boat To China
04. The Touch Of Your Lips
05. When Sunny Gets Blue
06. Who Can I Turn To?
07. The Way You Look Tonight
08. Here's That Rainy Day
09. I'm Gettin Sentimental Over You
10. But Beautiful
11. That Old Feeling
12. What Is This Thing Called Love?
13. Stompin' At The Savoy
Fulvio Albano (tenor saxophone except 02, 06, 09, 12) (soprano saxophone on 02, 06, 09, 12)
Massimo Farao (piano)
Aldo Zunino (bass)
Adam Pache (drums)
2012年7月24日-25日録音
レーベル:
Jazz CiTy Records
※Jazz CiTy Recordsのアルバムは、過去に一部CD-R盤にて流通しておりましたが、現在の掲載タイトルはすべて2020年に新しく生産されたプレス盤のCDとなり、ジャケット・デザインも一新されております。
在庫切れ 可能な限りお取り寄せ致します デジパック仕様CD
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