●日本盤ボーナス・トラック収録
★少年期より神童として名を馳せ、リーダー&サイドとも多忙に活躍(00年代半ばにゲイリー・バートンのグループで本格的に頭角を現す)、EmArcyやMack Avenue等から意欲的・多角的・挑戦的なアルバムを続々とリリースして高い評価を得てきた、ユニークにして確固たる個性を持つ、そしてラジカルな今日流(未来志向の)センスを備えた人気ギタリスト:ジュリアン・レイジ(1987年米カリフォルニア州サンタローザ生まれ)の、ここ近年率いている鉄壁レギュラー・トリオ(この顔ぶれでMack Avenueより近作も出ていた)による、Blue Noteからは初となる一編。
★ウマみを含んだ爽やか&まろやかな潤いとちょっぴりダークな濁りやヒズみ感が渾然一体化した、中々ニュアンスに富む「深い」音色のギターが、伝統的バップ&ブルース・イディオムを使った渋いダイナミック・スインギー節や、今日流ファンク・ジャム派っぽい適度に入り組んだ奔放なビター・アクション、更には、牧歌的フォーク・テイストを濃くしてアメリカの原風景をじっくり映し出すが如き落ち着いた穏やかなロマネスク・フレージングなど、程好い振り幅を示しながらあくまでメロディーの美や情緒性を失わない、極めてアップトゥデイトなリリカル・グルーヴィー・プレイを滑脱かつ結構簡潔に紡いで、瑞々しくも滋味豊かな華を鮮麗に成した快投内容。
★安定律動的なスイング感とリアル・インタープレイ型の息詰まるサスペンス、とを巧みなげに同時体現するベース&ドラムの、芸の細かい機微・機智あるサポートも迫真味充分に魅力を際立たせつつ、苦味走った硬派な立ち回りのスリルや気魄に溢れ、なおかつ独自の翳りを帯びたビタースウィートな歌心やブルース・スピリットにも事欠かない、躍動型抒情指向なコンテンポラリー・ギター・トリオの最新理想形、とも云うべきメリハリある敢闘が溌溂と続き、精悍な凛々しさと優しくメロウなテンダネスがごく自然に共存する、微妙におおらかな悠然さ・悠久さをも感じさせる小気味のいい道程の中、レイジ(g)の、肩肘張らずナチュラルな息遣いで伸び伸びと得意技の数々を決して弾きすぎることなくサラリと手短に披露して、後には何とも風流な余韻が残るという、既に充分練達し熟成した匠の語り口があくまで軽やかに冴え渡っていて素晴らしい。
→ブルージー・バップ的なチョイと燻し銀の趣ある粋シブ・スウィンギン調から、次第にジョンスコ辺りにも通じる好もしいヒネクレ具合を漂わせたファンク節へいつしか推移してゆき、アグレッシヴな、そしてキレ味鋭利な昂揚感を満喫させてくれたり、エヴァンスをギター化したような耽美的ロマンティシズムとバネの利いたダイナミズム表裏一体のマイルドな歌いっぷりが殊の外清々しく爽やかさ格別だったり、或いはまた、(さほど似てはいないが)ビル・フリゼールとかを想起させる特有のカントリー・フォーク的ブルース色を強めたアメリカン・ルーツ・ミュージック風のアプローチ(これがやはり本領か)に揺るぎない妙味を見せたりと、表情多彩でビシッと一本確たる骨芯の通ったその弾鳴のあり様は、誠に雅趣深く加えて堂々としており説得力も抜群だ。
01. エチュード / Etude (solo guitar)
02. ブーズ・ブルース / Boo's Blues
03. スクイント / Squint
04. セイント・ローズ / Saint Rose
05. エミリー / Emily
06. ファミリアー・フラワー / Familiar Flower
07. デイ・アンド・エイジ / Day & Age
08. クワイエット・ライク・ア・フューズ / Quiet Like A Fuse
09. ショート・フォーム / Short Form
10. トワイライト・サーファー / Twilight Surfer
11. コール・オブ・ザ・キャニオン / Call Of The Canyon
※日本盤ボーナストラック
12. グラナダ / Granada
Julian Lage (guitar)
Jorge Roeder (bass except 01)
Dave King (drums except 01)
2020年8月15-19日録音
レーベル:
Blue Note Universal Music Japan
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国内制作SHM-CD