★2004年よりジャズ・ヴォーカリストとしての活動を開始し、主に東北シーンでライヴを続けている才媛:Mika(宮城県栗原市生まれ、同所在住)の、久しぶりのリーダー・アルバム、=長らく共演を重ねてきた二村希一(p)と伊勢秀一郎(tp)の二人がバックを務めた一編。
★カラッとしたドライな感触とまろやかな潤いとがごく自然に融和した、トーンは高めの微妙にしゃがれるところもあるそよ風のような、そしてまた優しい包容力をも感じさせる、キュートでありちょっと渋くもあるきめの細かい涼やかヴォイスが、一語一語・一声一声を丹念に噛み締めながら温かく柔和に語りかけてくるが如き、好もしい誠実真摯さを湛えた正攻法の抒情派歌唱を綴ってフレッシュ&ナイーヴかつ旨味溢れる小粋な華を成し、一方、ヴォーカルにピッタリ息を合わせてテンダーにスイングするブルージー・テイスティーなピアノや、軽快&イナセな吟醸ブロウで音空間に絶妙の色彩変化〜メリハリをつけるトランペット、らの芸達者なバックアップも控えめにしてバッチリ芳醇に魅力を際立たせた、全体を通じ小気味よくもホッと深々安心できるハートウォーミングな好演内容。
★インティメイトな和み感と歯切れのいい安定律動的ノリ、とを保ったリリカル小唄派の王道を行く真心&瀟洒味一杯の寛ぎ快演、が実に楽しそうにテンポのいい簡潔さで続き、主役:Mika(vo)の芸風並びに録音意匠ともに決して飾らない、いい意味で素朴さ・気さくさ・取っ付きやすさを身上とする居心地バツグンの歌景色(←ちょっとモノクローム或いはセピア色っぽい幾分かノスタルジックな趣がある)が形作られてゆく中で、Mikaの、あくまで等身大の謙虚で丁寧な歌い回しに終始するハートフルなたたずまい、その語り口が洒脱そして温和に冴え渡って、何とも清々しく感動的だ。
→聴く者の胸にひたむきに、切々と訴えてくる丹誠こもった真っ直ぐな軽妙ロマンティック節の衒いなき説得力には中々確固たるものがあり、ブルース感覚にも長じまた時にはダイナミックなスキャット技も披露するが、その優しく聴き手に寄り添ってくれる豊かな人情味が損なわれることは一瞬もなく、終始一貫して原曲のメロディー&和声の美しさや歌詞の言葉の情緒濃やかさを慈しむ、ニュアンスに富んだセンシティヴ&メロウ・エモーショナルな独特のアットホーム感漂う歌声のあり様は、安定安心で快適この上なし、好感度も満点。節度をわきまえつつ結構勇み肌っぽくイキに旨口ワザを炸裂させる、伊勢(tp)や二村(p)の活躍も超美味アクセント効果格別。
01. Little Jazz Bird (Ira Gershwin / George Gershwin)
02. Tis Autumn (Harry Nemo)
03. Sunday In New York (Peter Nero Bernard)
04. Sugar (Maceo Pinkard / Sidney D. Mitchel / Edna Alexander)
05. Twisted (Annie Ross / Wardell Gray)
06. Here's To Life (Phyllis Jean Mounary / Arthur Butler) (vo & p duo)
07. Gentleman Friend (Arnord B. Horwitt / Richard Lewine)
08. You've Changed (Brown James)
09. Sweet Lorraine (Mitchell Parish / Clifford R. Burwell)
10. That's All (Alan Brandt / Bob Haymes)
11. My Little Brown Book (Billy Strayhorn) (tp & p duo)
Mika (vocal except 11)
二村 希一 (piano)
伊勢 秀一郎 (trumpet except 06)
宮城県栗原市のcafe Jakiでの録音
(2020年日本作品)
レーベル:自主製作 (Paradise Valley Private Record)
在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
国内自主製作CD