★1970年代よりスタン・ゲッツやリー・コニッツ、デイヴ・リーブマンらに重用されるなど、シーン第一線で超多忙な活躍を続けてきたヴェテラン敏腕ドラマー(音楽教育者でもある):ジェフ・ウィリアムズ(1950年米オハイオ州マウント・ヴァーノン生まれ)の、今作は2サックスをフロントに立てたピアノレス・カルテットによるロンドン・ライヴ編。
★どっしりドスが利いていながら軽快機敏なシャープネスやスピード感も自ずと備わったドラムの、中々に激烈な猛り様や、バネを効かせて勢いよく跳ね躍る自由闊達げなベース、らに頼もしくプッシュされながら、適度に泥臭くこってりとコク味を振りまくソウルフルな重厚テナーや、甲高くトンガッたトーンでアグレッシヴにさえずり鳴く快活なアルト、のフロント陣がいずれもスピリチュアリティに満ちたエネルギッシュでパッショネートな完全燃焼のアツいインプロヴィゼーションを雄渾隆々と炸裂させて、何とも壮快な力強い見せ場を堂々飾りきった、血沸き肉躍る敢闘内容。
★ピアノレスならではのドライでゴツゴツしたイカツい荒削りな音の感触も好もしく、モード色の加味された硬派剛健で豪快武骨な、ガッツとエモーションみなぎる実に男臭いスウィンギン・アクション熱演がひたすらタフ&ヘヴィーに展開され、極太く揺るぎないダイナミック・グルーヴ感を提供するウィリアムズ(ds)&ラッサーソン(b)の雷神の如き轟々驀進ぶり、も問答無用の猛爆的(それでいて泰然自若としてもいる)魅力を際立たせる中、これに上手く触発されて、フロントに立つサックス2人の、腰を据えて悔いなく伸び伸びと燃え盛る熱血咆哮大会が、ただならぬ切迫感をもってグツグツ煮え立ちまくりの盛り上がりを見せており、全く圧倒的だ。
★アルコレオ(ts)の、地を這いずり回りながら七転八倒っぽくのたうつような、逞しくも垢抜けなさが魅力な野太い重圧的頑強ブロウ!、が理屈を越えた雄大壮烈なるストロング映えを示していて唖然とさせられるが、一方オギャラファー(as)の、すばしっこく宙を飛び跳ね回りながら、現代流らしくファンク的なノリや今風吟醸ソウルをみなぎらせたリズミカル躍動に嬉々として興じる(ちょっとアンちゃん肌?)風な、熱情的であり飄々としてもいるその立ち回り攻勢が結構軽やかに煌きを放っていて、これまた実に爽快。
1. New And Old
2. The Interloper
3. Borderline
4. Oddity
5. Under The Radar
6. Scrunge
7. Search Me
8. She Can't Be A Spy
9. Double Life
John O'Gallagher (alto saxophone)
Josh Arcoleo (tenor saxophone)
Sam Lasserson (double bass)
Jeff Williams (drums)
2018年11月25日Pizza Express Jazz Club (London Jazz Festival)でのライヴ録音
レーベル:
Whirlwind Recordings
在庫有り
三つ折りデジパック仕様CD