★肝の据わった力強い驀進を続ける、キャリア豊富な福岡の硬派ギタリスト:中川正浩のアルバム第4作。2005年6月&2006年6月ブルックリン録音。編成は馴染みの2人とのトリオ(G・コリガンは今回もオルガンに専念)。
★マイルドな潤いと渋いコク味に満ちた揺るぎない中川節=吟醸的ブルージー技が、抑えを利かせてシャープに、そして滑脱に繰り出され、含蓄ある粋な風情を醸成した好調内容である。
★ほぼ一貫してウォーム&インティメイトな和み気分の保たれた、所謂オルガン・ジャズと正統的ハード・バップの中間ぐらいな風趣の、明快で親しみやすい娯楽的アーシー・セッションが展開され、リズム面にも適宜自然な起伏メリハリがつけられる小気味のいい道程の中で、主役gの、歌心とブルース&バップの伝統的フィーリングにしっかりと根ざした、伸びやかにして簡潔な、さすが懐の深い旨口プレイがゴキゲンに冴えている。
★細く尖った自然な滑らかさある美味しいトーンでの、G・グリーン辺りにも通じる機動性に富んだファンキー&ソウルフルな敏活アクション・フレーズを、絶妙の制御力でちょっとクールめ・スマートめに軽々と紡いでゆくその、硬派でありながら瀟洒味もたっぷりの、緩急心得た語り口は絶品で、一方、スロー・バラードでの腰の据わった陰影も深いこってり味な哀愁節の歌い上げ様や、小回りを利かせて中々品よく機敏に立ち働くorg者の(硬軟併せ持った)ソフィスティケートな助演、も得難い魅力を成して、心地よくも飽きのこない、何げに高密度な芳醇世界に仕上げている。
1 At Long Last Love
2 The Cantaloupe Woman
3 Anthropology
4 That Lucky Old Sun
5 Speak Low
6 This Could Be The Start Of Something
7 Goodbye
8 I Want To Hold Your Hand
中川 正浩(guitar)
George Colligan(organ)
Quincy Davis(drums)
#1,8
2005年6月29日 録音
#2-7
2006年6月3日 録音
在庫有り
CD