★ラッセル・ガン(tp)のカルテットでプロ・キャリアをスタートさせ、その後ニューヨークへ進出してジョン・スコフィールド、ジャン=ミシェル・ピルク、ジョージ・ガゾーン、ケニー・ワーナー、ビリー・ドラモンドらと次々共演、NYシーン第一線で多忙に活躍しつつリーダー・アルバムも着実にリリースして来、特に2012年のSunnyside作品:「The Elvin Jones Project」(ビリー・ハート、ジョージ・ガゾーン、ティム・ヘイゲンズ他参加)に高い評価を集めていた、音楽教育者でもあり現在はSmallsを主たる根城に益々精力的な活動を続けているベースの逸材:Michael Feinberg(ジョージア州アトランタ育ち)の、今回は、
デイヴ・リーブマン(ss)&ノア・プレミンガー(ts)の2サックスをフロントに配したクインテットによる自作曲集。
★芳醇で適度に粘っこいコクを多々含んだスピリチュアルな肉太ベースのウネり鳴動に導かれて、息の合ったカラフルかつパワフルなファンファーレの如き凛々しいアンサンブルや、頑として奔放苛烈に登り詰める激走ソプラノ、渋旨ハード・バップとモーダル・アグレッシヴの間を往来する滑脱テナー、硬質で陰影濃い殺陣風のシブめな立ち回りに終始する手堅いピアノ、ら各人のアツくエネルギッシュでいて苦味走ったソロ敢闘、がフレッシュ・スリリング&ハードボイルドに毅然たる見せ場を形成してゆく、味わいは濃厚で迫真力も抜群の会心打内容。
★モード系現代硬派ジャズの本道を雄々しく勇ましく邁進してゆく、概ね甘さは控えめだが歌心やブルース・フィーリングも然るべき処でしっかり発揮された、基本は厳しく引き締まった表情のシリアス指向なソリッド熱演が精悍軒昂に展開され、ハード&ダークに揺るぎなく決然と音空間の基盤を形作るFeinberg(b)の、シビアそうであり結構テイスティー・グルーヴィーでもある重厚スウィンギン攻勢や、ドシャバシャガシガシと爆雷を落としまくる風なFroman(ds)のゲリラ猛襲的ワイルド・アタック!、に上手く触発されながら、リーブマン(ss)、プレミンガー(ts)らの腰を据えて伸び伸びとストロング&バーバリックに完全燃焼するアドリブ奮戦が、激情もたぎった熱い盛り上がりを呈して壮快この上なし。
★とりわけリーブマン(ss)の、あくまで一ソロイストに徹して一切の手加減なく全力全霊で猛々しく暴れ回り、またある時は落ち着いた思索性を宿しつつ繊細に憂愁を歌い上げたりもする、ひたすらパッショネート&エモーショナルな白熱の気合をみなぎらせた縦横無尽の自由闊達大咆哮!、がズバ抜けて濃くエッセンスのギッシリ詰まった、さすが醸熟なる「振りきった」魅力を終始堂々烈々と揮っていて格段に傑出しており、これに超肉厚なヘヴィー・ドライヴィング・ブロウでコク旨に、かつ野獣の如く獰猛に追い迫ってくるプレミンガー(ts)や、あくまでマイペースのスクエアーなダイナミズム表現〜力学的プレイで中々ストイックにキレと締まりを齎すヴェルサーチ(p)、そしてまた、要所要所でこってりした情魂味を悠々振りまくFeinberg(b)、らの活躍も各々頼もしく奮っている。
1.
Louisville 7:14
2. Cairo 5:26
3. Tryon 3:39
4. Pontiac 9:39
5. Hamlet 8:33
6. East St. Louis 9:00
7. Tokyo 4:37
8. Nogales 8:23
total playing time:56:40
*all compositions by Michael Feinberg
Dave Liebman (soprano saxophone)
Noah Preminger (tenor saxophone)
Gary Versace (piano)
Michael Feinberg (bass)
Ian Froman (drums)
2019年10月録音
レーベル:
SteepleChase
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