★1966年よりプロとして活動、自己のトリオの他、渡辺貞夫カルテットや峰厚介らとのフュージョン・グループ:ネイティブ・サンなど幅広く精力的に辣腕を揮うも、60歳時に心不全のため亡くなった、本邦モダン・ジャズ・ピアノの第一人者のひとり:本田竹曠(1945年岩手県宮古市生まれ、2006年死去)の、本盤は、望月英明(b)&古澤良治郎(ds)とのトリオによる、1974年7月4日大分市のZadoでの公演の模様を捉えた未発表ライヴ音源の初ディスク化。
★硬質骨太さや鋭角的キレのよさと、滑らかさや潤い、を併せ持った、端正でありながら豪放パワーをも感じさせる力強い堅固タッチのピアノが、ダイナミック&エネルギッシュにじわりじわりと登り詰め、突撃疾駆してゆくような、スケール雄大で力学性も満点のモーダル・パッショネートかつブルージー・テイスティーな熱血アクション・プレイ、を頑として強靱屈強げに炸裂させまくって超大興奮の見せ場を飾り、かと思えば一転して繊細でマイルド・ナイーヴなしっとりムードの耽美的バラード妙技で瑞々しく感動させてもくれる、という、全編極めてストレートアヘッドな誠心とガッツのこもった真っ向勝負のその敢闘ぶりが、清々しい昂揚感と旨味を齎した会心打内容。
★歌心とスイング感を最重視し、ブルース由来の渋くてイキな吟醸テイストもたっぷり備わった、単純明快正々堂々たる70年代流ハード・バップ熱演が雄々しくタフに、剛健に展開され、大地に根の生えたようなガッチリ安定した鉄板の律動力を発揮する一方、時としては鬼神の如くワイルド・ヴァイオレントに猛り狂う面もある古澤(ds)や、強烈にバネとウネりを利かせて適宜粘っこく絡みついてくる肉太い望月(b)、らのパワフル至極なサポートに上手く頼もしく煽られながら、本田(p)の、哀愁と根性とカラッとした激情に彩られた勇み肌っぽい躍動的アドリブ奮戦が、揺るぎなく確固たる雄渾な、味わいも濃い男気溢れる分厚き絶好調ぶりを見せて、全く壮快だ。
→基本的には逞しき剛腕タイプの屈強タフガイ・キャラを身上としており、マッコイ辺りの流れを汲んだモード色濃いめのアツくスピリチュアルな、空間を音で埋め尽くす圧倒的ダイナミズム攻勢!、=野性味みなぎる爆走突進ワザ、に問答無用っぽく真価が発揮されているが、バラードにおいては、決して武骨などではない細やかなニュアンスを宿した奥深いメランコリー&ロマンティシズム表現、に独自の妙味を見せたり、またもう一つの柱として、レッド・ガーランドやジーン・ハリスとかにも底通する軽やかで小粋な「ファンキー」・フレージングにも本領があり、しかし反面、そうしたバラードやファンキー系の行き方も気分が盛り上がってくるにつれて次第にマッコイばりの灼熱のシーツ・オブ・サウンド大会に様変わりしてしまうところがあったりもして、その巧まずして一点もブレていない漢たる鳴音のあり様は、理屈を越えた濃厚なる説得力に満ちており、最高。
1. Salaam Salaam
2. By The Time, I Get A Phoenix
3. Ballad Medley:
When Sunny Gets Blue /
I Can't Get Started /
Ain't Tell You A Good Way But /
Georgia On My Mind
4. Natural Tranquility
5. Sugar
6. My Funny Valentine
本田 竹曠 (piano)
望月 英明 (bass)
古澤 良治郎 (drums)
1974年7月4日 大分市 Zadoでのライヴ録音
レーベル:
Owl Wing Record
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国内制作・デジパック仕様CD