ドイツ・フリー・インプロ派トランペットの先駆者にして第一人者:マンフレート・ショーフ(1936年ドイツのマクデブルク生まれ)と、本邦フリー派ピアノの急先鋒:山下洋輔(1942年旧・東京府東京市生まれ)率いるレギュラー・トリオ(with坂田明-as&森山威男-ds)(当時西ドイツ・ツアー中だった)がガッチリ組み合っての、1975年6月12日(旧西)ドイツ-シュトゥットガルトでの公演の模様を捉えた傑作ライヴ・アルバム(Enja原盤)の、世界初CD化(限定プレス)。フリーキー・トーン交じりで七転八倒しつつ不屈に暴れ回るかのような金切り絶叫風の爆裂咆哮を、これでもかとひたすら意気溌剌に繰り出し続けるアルトや、負けじと不協和音の嵐とも云うべき獰猛苛烈な速射砲撃的岩石アタックをカマしまくるピアノ、そしてよりクールで飄々とした抽象純度の高い異形シュール・アクションを軽やかに綴るトランペット、更には背後から猛然と絨毯爆撃大攻勢をかけてくるワイルドなドラム、がそれぞれ一歩も引かぬ激突乱戦を嬉々として超パワフルに繰り広げて、混沌アナーキーにしてしっかりエモーショナルでもある興奮度200%の壮快な暴虐活劇世界を濃厚に、熱く描き出した敢闘内容。体力勝負の極めて屈強で揺るぎないタフネスみなぎったパワー・ミュージック・タイプのフリー・ジャズ熱演、が燃え盛るガッツと鍛え抜かれ研ぎ澄まされた超絶ハイテクニックをもって決然と展開され、山下トリオの、一丸となって持てるエネルギーを悔いなく振り絞りつつ危ういまでに全力疾走し続ける捨て身の体当たり的完全燃焼ぶりと、ショーフ(tp)の、かなりハイ・テンションで荒々しい面もあるが、同時にワンポイントの余裕を残した、どこかしらゲームを楽しむかの如き軽みや涼やかさもチラつかせるその翔び具合、との微妙な温度差のあり様、コントラスト感にも中々興趣深いものがある。ショーフ(flh)の、甘さを排した徹底的にハードなアブストラクトさと、情味豊かな哀愁的ロマンティシズム、の両極端を自在に往来する独自のバラード表現(#2)、そして山下(p)の、メロディーや和声の端麗美を確固と表した滑り出しを見せながら、次第に奇怪でヴァイオレントな乱調モードへグギャングギャンと突入してゆく切迫感に満ちた劇的奮戦(#3)、という2つのソロ・トラックの旨味深さもまた格別。
1. ミトコンドリア
2. ラウンド・アバウト・ミッドナイト (solo flugelhorn)
3. ディスタント・サンダー (solo piano)
4. ハチ
Manfred Schoof マンフレート・ショーフ (trumpet on 1, 4) (flugelhorn on 2)
坂田 明 Akira Sakata (alto saxophone except 2, 3)
山下 洋輔 Yosuke Yamashita (piano except 2)
森山 威男 Takeo Moriyama (drums except 2, 3)
1975年6月12日(旧西)ドイツ-シュトゥットガルトのthe Liederhalleでのライヴ録音
レーベル:
Solid (
★エンヤ(ENJA)・オリジナル・アルバム・ストレイト・リイッシュー・シリーズ)
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