★アート・テイタムの超絶技巧やウィントン・ケリーのスイング感を吸収した強力なスタイルに妙味を発揮し、母国スペインのみならずヨーロッパ全域を代表する世界的レベルのバップ・ピアニストとして絶大な支持を集めた、名匠:テテ・モントリュー(1933年スペイン-カタルーニャ州バルセロナ生まれ、1997年同所で死去)の、本盤は、レジー・ジョンソン(b)&アルヴィン・クイーン(ds)というスペシャルな顔ぶれのトリオによる、1988年5月バルセロナでスタジオ録音されていた未発表音源の初ディスク化。
★硬質重厚で鋭いキレのある、陰影にも富んだストーン・タッチのピアノが、凹凸もクッキリとつけながらスクエアー・バピッシュな圧倒的ダイナミズム表現と、明朗でキャッチーな歌心の表出、そして粋でイナセなブルース由来の小節、とを掛け合わせた、一音一音を確固と噛み締めるようであり、同時に前のめりの豪快な勢いにも溢れる、徹頭徹尾ストレートアヘッド指向のメロディック・スインギー・プレイを精悍勇猛に繰り出し続けて、スケールもデカく雄々しき華を成し、ベース&ドラムのガッチリ堅固でいて半遊撃的機動性にも長けたパワフルかつちょっとワイルドなサポートも、グルーヴとスリルを強力に底上げして確たる魅力を放った、全編理屈抜きで快調にたたみかけられるような昂揚感と旨味が心ゆくまで満喫できる充実内容。
★硬派で渋くも親しみやすく取っ付きやすい唄っぽさ満点な、ハード・バップ系ピアノ・トリオの王道を行く殊の外歯切れのいい人情娯楽的なスウィンギン熱演、が嬉々溌剌と連続し、エネルギッシュ&スピーディーに突進しまくるが如き威勢や豪胆さで問答無用に圧倒する反面、ブルース・センスや歌謡フィーリングが十二分に活かされた美旋律ふんだんの文脈展開で超芳醇な美味さを堪能させてもくれる、という格段にデリシャス&エンターテイニングな道程の中で、モントリュー(p)の、肩肘張らぬも伸び伸びと全力を出しきって歌いに歌い、躍りに躍る、イキのよさ格別なアドリブ奮戦が誠に鮮やかに冴え渡ってゴキゲンだ。
★バップ・イディオムに則った骨太く鋭角的なダイナミック・アクションと、テイタムに通じるスーパー・ハイテクニックな半アクロバティカル節、とをブレンドしつつ、一弾一弾の打鍵も極めて強くひたすら愉しげに闊歩驀進っぽく筆を進めてゆくその、下手な理屈を挟む余地のないような大層ポジティヴでおおらかな鳴音のあり様は、生鮮にしてさすがバッチリ熟成されており卓抜。
1. All The Things You Are (Kern-Hammerstein II) 5:10
2. Have You Met Miss Jones? (Rodgers-Hart) 4:45
3. Solar (Miles Daivs) 7:40
4. Old Folks / All Blues (Robinson-Hill/Miles Davis) 13:10
5. What's New? (Haggart-Burke) 5:04
6. Jo Vull Que M'Acariciis (Tete Montoliu) 7:22
7. Oleo (Sonny Rollins) 10:20
8. I Love You (Cole Porter) 7:32
9. I Can't Get Started (Duke-Gershwin) 6:20
Tete Montoliu (piano)
Reggie Johnson (bass)
Alvin Queen (drums)
1988年5月22日スペイン-バルセロナのEstudi Gema録音
レーベル:
Fresh Sound
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