★オランダのオスカー・ピーターソンなどとも異名を取りつつ70年代から活躍してきた、明朗娯楽派であり歌伴の名手(リタ・ライスとか、フリーチャ・カウフェルトとか)でも鳴らし(ビッグ・バンド経験も豊富で、またトゥーツ・シールマンス&ステファン・グラッペリとツアーしたりとかも)、Limetreeや澤野よりの諸作に好評を集めるオーソドックス筋ピアノのヴェテラン偉匠:レックス・ヤスパー(1949年オランダのフローニンゲン=Groningen生まれ)の、今回は、ギター&ベースとの旧式ピアノ・トリオによるスタンダード中心の一作。
★潤い豊かで滑らかであり、同時に力強い歯切れのよさをも呈した、中々表情に富む骨太タッチのピアノが、キャッチーな歌謡性と渋旨なブルース・フィーリングに溢れたダイナミック・スウィンギン・プレイを泰然げに繰り出して、晴れ晴れとした明朗かつコクのある醸熟っぽい絵を飾り、瀟洒なモダニズム一杯のギターや、ドライヴ感に満ちた重厚でウォームなベース、らも各々ばっちりテイスティーに魅力を際立たせた、ノリノリにして心和み温まる小粋な快適編。
★インティメイトなリラクゼーションを変らず底流させつつ、シャキシャキと鋭敏に弾み躍るようなイキのいいスイング感〜溌剌パワーもしっかり備わった、一種の「お座敷小唄インスト」とも云うべきラウンジ気分の洒脱なメロディアス快演、が和気あいあいムードで楽しげに展開され、ベース&ギターの安定して精緻に律動する基底リズム形成にガッチリ支えられ、ノセられながら、ヤスパー(p)の、肩の力の抜けた自然体調子で衒いなく伸び伸びと美メロ歌いに興じきる風な、余裕と貫祿そして節度あるリリカル&ハートウォーミングなアドリブ妙技が、何とも味わい芳醇に冴え渡ってゴキゲンだ。
→わりかしオールド・ファッションめのスイング派ピアノ的な、律儀で落ち着いたスクエアー感ある型っぽい立ち回り節と、ピーターソンやガーランドとかにも通じる、幾分か熱っぽいエキサイト傾向もありのファンキー&アーシー或いはソウルフルなブルース色濃いイナセ筋フレージング、をバランスよく織り混ぜつつ快活にして悠然と闊歩してゆく、さすが熟練の吟醸的語り口は絶好調で誠に鮮やか。加えて、程好くシャープ&ソリッドにスパイスを利かせたバピッシュ弾奏を繰り出してくる、コニング(g)の活躍もナイス・アクセント。
01. Come Rain Or Come Shine (3:22)
02. Soon (3:33)
03. Sweet Seventy (2:59)
04. Serenata (5:00)
05. Take The A-Train (4:32)
06. Letter To Alissa (4:19)
07. Tangerine (3:23)
08. Song For Emil (3:21)
09. Slow Boat To China (4:04)
10. Willow Weep For Me (4:41)
11. I Should Care (3:13)
12. My One And Only Love (3:16)
13. Don't Blame Me (3:58)
14. The Odd Couple Theme (3:35)
Lex Jasper レックス・ヤスパー (piano)
Vincent Koning ヴィンセント・コニング (guitar)
Frans van Geest フランス・ファン・ゲースト (double bass)
2019年5月9-10日オランダ-Woerdense Verlaatのthe WedgeView Studios(ウェッジヴュー・スタジオ)録音
レーベル:
Challenge
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