★ハワード大学やバークリー音大、Duke Ellington School of the Arts等に学び、10代の頃からシダー・ウォルトン・グループと共演するなどの早熟ぶりを見せ、また、クラーク・テリーやディジー・ガレスピーそしてマイルス・デイヴィスに師事、1980年代後期にトニー・ウィリアムス並びにアート・ブレイキーの両グループで一躍スターダムに上り詰め、自己コンボでの演奏も活発化しつつ、過去30余年来、MuseやHighNote他からコンスタントに気合の入ったアルバムを発表し続けて高い評価と人気を獲得、近年はすっかりヴェテランの貫祿(&凄味?)を増してきた感のある、「マイルス派現代トランペット」の第一人者:ウォレス・ルーニー(1960年ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ、2020年3月31日死去)。
★最新作(2018年 録音)=テナー(orソプラノ)入りクインテットを基本に、過去度々共演してきたレニー・ホワイト(ds)やギターが加わったりの転回もあり(1曲目はツイン・ドラム)の、気魄みなぎった一編。
★シャープな破裂感と閃光(ピカッと走る稲妻〜稲光っぽかったりとか・・・)を放つが如き眩いクリアネスorブライトネスを呈した、中々パワフルな精悍トーンのトランペットが、陰影濃く苦味走ったハードボイルド・アクション調のキレ味抜群な硬質勇猛咆哮!、を鮮烈に、スリリングに轟かせて迫真力に満ちた威厳も充分の凛然たる華を成し、ソウルフルだったりアグレッシヴだったり浮遊的だったりファンク調だったりの滑脱なテナーや、ソリッド&スクエアーな甘さ控えめのピアノ、らもそれぞれしっかり濃厚に存在感&旨味を際立たせた、全編にピーンと鋭利な緊張感が貫かれて思わずこちらも背筋が伸び、なおかつバッチリ芳醇なおいしさにも富んだ会心打内容。
★硬派でストレートアヘッドな所謂ポスト・バップ的スタイルの、真剣勝負に徹した覇気軒昂なる現代主流派熱演が、猛々しく雄渾げに展開され、主役であるウォレス(tp)の発する、終始ピリッとしたシリアスで眉間にシワを寄せたみたいな厳しい表情の孤高な強面オーラや独特のダークネスが、自身は音を出していない時でさえバンド全体・音空間全体を揺るぎなく、そして鋭く支配していて、マイルスの60年代黄金クインテット辺りにも底通するグループ・カラーの鮮やかさ・濃さ、並びにウォレスの毅然としたカリスマ性、とで聴く者を問答無用に圧倒するその道程の進め様は全く壮快この上なし。
★ウォレス(tp)の、疾走感に満ちたハード・ビター&エネルギッシュな大立ち回りの速射砲撃攻勢でたたみかけるように昂揚させてくれる一方、バラードや歌物での、伸び伸びとよく歌ってはいるが、しかし決して甘さに流されることなくキャッチーとまでは行かず、一定の険しい面持ちを保った、キレのあるシビアげな尖鋭的リリシズム表現、にも大いに(緊迫させつつ)酔わせてくれるなど、さすが確固と熟練し研ぎ澄まされた卓抜なワザが冴えに冴え渡って見事!!!
1. Bookendz 6:12
2. Why Should There Be Stars 5:28 (tp - p - b trio)
3. Wolfbane 7:54
4. New Breed 8:10
5. Don't Stop Me Now 6:59
6. In A Dark Room 8:57
7. Venus Rising 5:15
8. Elliptical 4:15
Wallace Roney (trumpet)
Emilio Modeste (tenor saxophone on 3, 4, 5, 6, 7, 8) (soprano saxophone on 1)
Oscar Williams II (piano)
Paul Cuffari (bass)
Kojo Odu Roney (drums on 1, 4, 6, 7, 8)
Lenny White (drums 1, 3, 5)
Quintin Zoto (guitar on 1, 3, 5)
2018年9月&12月Van Gelder Recording Studio(米ニュージャージー州イングルウッド・クリフ)録音
レーベル:
HighNote
在庫切れ
可能な限りお取り寄せ致します
CD