★Ayva MusicやSteepleChase、Giant Step Artsよりの作品群に高い評価を得てきた、ボストンとニューヨークを行き来しつつ精力的に活躍している、グレッグ・オズビーとも親交深いコンポーザー肌の個性派黒人トランペッター:ジェイスン・パーマー(1979年ノースカロライナ州ハイポイント生まれ)の、今回は、自身お気に入りの人気女性R&Bシンガー:アニタ・ベイカーのヒット・ソング〜十八番ナンバーをレパートリーとした、ワンホーン・カルテットによるソングブック編。
★張りやキレのよさを有するものの余計な力は一切かかっていない、ごくナチュラルで美しい鳴り様を呈する、「シャキッ」と「ふわっ」の一体化したしなやかなトーンのトランペットが、歌心並びにバップ&ブルース・スピリット溢れる極めて流麗滑脱な躍動ぶり・邁進ぶりを見せて、実に鮮やかにスッキリとした清爽この上なしの華を成し、一方、スクエアー・バピッシュだったりファンキーだったり耽美的だったりの中々自在にメリハリを利かせてくる表情多彩なピアノや、リズミカルに跳ね弾みつつハートウォームさ或いはユーモアを滲ませる粋なベース&ドラム、らの活躍もばっちりテイスティー・グルーヴィーに魅力を際立たせた、全体に、歌物ならではの優しくドラマティックな抒情性と、ハード・バップ・インストらしい硬質なスリルや骨太いグルーヴ、とが自ずと細密に融け合った、何とも小気味のいい快投内容。
★リズム・スタイルは今日らしく適宜ヴァラエティーに富んでいて、上手い按配でノリとサスペンスを並行醸成しつつ、一貫してメロディアスなリリカル指向の現代流モーダル(・バピッシュ)・アクション・グルーヴ物(ファンクっぽいところも)、的な親しみやすくも独特のシャープネスみなぎった機動性抜群の快演、がイキイキ展開され、リズム隊の、安定した律動性を提供し、なおかつ機略縦横に結構意表を衝いた遊撃もカマしてくる、すばしっこくアタッキングなサポートに巧くノセられ、刺激されながら、パーマー(tp)の、程好く尖鋭なシリアスさを湛える反面、その筆運び、物腰には終始一定の余裕(肩の力は絶妙に抜けている)や詩的ロマンティシズムを多々感じさせる、ひたすら楽しげに波乗り遊泳に興じるようなアドリブ妙技、〜練達の語り口が軽々と冴え渡ってゴキゲンだ。
→苦味走った真剣勝負の立ち回り攻勢から齎されるソリッドな張り詰め感・研ぎ澄まされ感やド迫力と、あくまで根底に息づくマイルド・テンダー&ハートフルな唄らしさ、メロディスト体質、とが巧まず自然に混在した吹鳴のあり様は、誠に清々しくも余情に富み懐深げで味わい格別、説得力も絶大。
1. Fairy Tales (Anita Baker, Vernon Fails, MichaelPowell) 9:20
2. Sweet Love (Anita Baker, Louis A. Johnson, GaryBias) 9:33
3. Same Ole Love (365 Days Of The Year) (Marilyn McLeod, Darryl Roberts) 9:27
4. Body And Soul (Rick Nowels, Ellen Shipley) 8:29
5. Caught Up In The Rapture (Gary Glenn, Darryl Quander) 9:47
6. Giving You The Best That I Got (Anita Baker, Randy Holland, Skip Scarborough) 9:51
7. No One In The World (Kenneth Hirsch, Marti Sharron) 9:51
8. Angel (Patrick Moten, Sandra Sully) 8:13
Jason Palmer (trumpet)
Domi Degalle (piano except 5) (electric piano on 5)
Max Ridley (bass)
Lee Fish (drums)
2019年作品
レーベル:
SteepleChase
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CD