★初代明田川荘之トリオの体力バンド(70年代)でレギュラー・ドラマーを務め、以降も1980年代後半頃まで自己グループで旺盛にライヴ活動、その爆発的・爆弾的パワー・ドラミングにワン&オンリーの超濃い魅力を揮い、常に完全燃焼しきっていた剛腕の異才(愛称は“くま”):宮坂高史(現在は引退)の、テナー(orソプラノ)(故井上淑彦!)、ギター、ピアノ、ベースとのクインテットによる、これがセカンド・アルバムとなった1982年3月吉祥寺録音の傑作(アケタズ・ディスク原盤 AD-12)、の初CD化。
★ドスを利かせて豪快猛烈に体当たり的パンチ・アタックをカマしてくる爆撃力満点のワイルドな攻勢を見せたかと思えば、一転、ジェントル・テンダーにしっとりと安らいだきめの細かいスローリー・グルーヴ感やリラクゼーションを粛々と醸成する(主にバラード)面もある、表情豊かでメリハリ充分のドラマティックな、そして何より極めて存在感濃厚なドラムの鳴動、に上手く刺激されながら、モーダル・アグレッシヴでソウルフルなテナーorソプラノや、ブルース・ロック的泣きと伝統的バップ・タイプの渋旨さの間を往来するちょっとやんちゃげなギター、スクエアーでありホット・エモーショナルでもあるディテールは非常に端正なピアノ、らが華やかかつカラフルに結構賑々しく見せ場を繋いでゆく、実にスカッとした壮快エキサイティングこの上なしの昂揚感が満喫できるクリーンヒット編。
★リズム・スタイルは適宜ヴァラエティーに富む、80年代流の潔きストレートアヘッドな硬派モード・ジャズ熱演が、独特の生々しい野性を伴いつつ精悍軒昂に、雄渾に展開され、宮坂(ds)のキレ味シャープでいてドッシリ重厚でもある中々圧倒的なダイナミズム体現!、に頼もしく捲くし立てられ、ノセられて、各人の、迷いなくブレのない確たる信念やガッツを感じさせるアドリブ奮戦が、誠に豊饒なる盛り上がりを呈して全くゴキゲンだ。
★井上(ts,ss)の、モード色濃くパッショネート&スピリチュアルな、猛々しくも何げに高度な技巧が完成されてもいる練達の大迫力咆哮と、松井(g)の、幾分か荒々しく豪胆不敵に泣き叫ぶが如き、ブルース&ロックのフィーリングを多分に有したゲリラ風の暗躍、とが東西の両横綱然と烈しく拮抗していて大いに血沸き肉躍らされるが、その間隙を縫ってわりかしエネルギッシュに突進してくる(それでいてエレガントな)、遠藤(p)のダークホースぶりもナイス。
1. Soul Tomato
2. Dear "Toshi"
3. Sound Check
4. Action
5. Thanks Miss "L"
6. Straight Road
井上 淑彦 (tenor saxophone, soprano saxophone)
松井 洋 (guitar)
遠藤 律子 (piano)
是安 則克 (bass)
宮坂 高史 (drums)
1982年3月23日,25日 吉祥寺テイクワン録音
(原盤:アケタズ・ディスク AD-12)
レーベル:
Octave-Lab (Deep Jazz Reality) (アケタズ・ディスク原盤)
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