★益々熟練した旺盛多忙な躍進を続ける現代主流派ハード・バップ・ピアノの最高実力者の一人:デヴィッド・キコスキ(1961年ニュージャージー州ニューブランズウィック=New Brunswick生まれ)の、今回は、エリック・アレクサンダー(ts)、ピーター・ワシントン(b)、ジョー・ファンズワース(ds)、という最強とも云えるオールスター・カルテットを率いての快編。
★シャープなクッキリ感と滑らかさを兼備した、何とも味のあるタッチのピアノが、ダイナミック&アグレッシヴに烈しく攻め立てるような疾駆ぶりであったり、よりじっくり構えたファンキー&アーシーな吟醸節であったり、はたまたテンダー&ロマンティックなきめの細かい感動的バラード表現であったりの、メリハリの利いた確固たる旨口ワザを嬉々溌剌げに繰り出して実に清々しい、爽快な絵を飾り、かたや逞しげなタフネス〜隆々さをみなぎらせてハード・ドライヴ感も一杯に朗々と咆哮する、スムースでいてキレ&パンチのあるテナーのイキのいい躍動も、さすが華々しく懐深げに拮抗を見せた、全編パワフルなノリのよさとハートウォーミングな人情ムードとで大いに愉しませてくれる、スカッとしたクリーンヒット的好内容。
★硬派王道にして取っ付きやすく超おいしい歌心表現にも事欠かない、均整ある極めてストレートアヘッドな活劇エンタテイメント指向の現代ハード・バップ快演が、ひたすらイキイキと楽しげに展開され、安定した律動性と意表を衝くゲリラ・フェイント色を併せ持った、ベース&ドラムの鋭くタイトな遊撃攻勢的バックアップにガッチリ支えられ、また突き煽られて、キコスキ(p)やアレクサンダー(ts)の、ともに気力も充実しきった、かつリキみなく伸び伸び悠々と構えた風な、熟成感ある練達のアドリブ奮戦が誠におおらかな盛り上がりを、豊饒ぶりを見せてゴキゲンだ。キコスキ(p)の、モード色濃いめのスピリチュアルでパッショネートな熱血大立ち回りや、ちょっとR&Bっぽくもある粋で渋いイナセ肌のソウルフル・フレージング、更には、端正で繊細なエレガンスとロマンティシズムに溢れた和みの歌物(バラード・)プレイなど、中々振り幅大きくもあくまで自然体の余裕や落ち着きを失うことのない、滑脱でドラマツルギーにも長けた語り口が何げに余情豊かな、そして芳醇な魅力を遺憾なく揮いきっており、一方アレクサンダー(ts)の、その一吹き・一発に圧倒的なスター性を宿した、頼もしげでこってりコクのある、それでいて生鮮度バツグンな渦巻きウェイヴ風のスッキリした必殺ブロウも、理屈を越えた至極エンターテイニング&テイスティー&ハートフルな興奮と美味さを軽々体現して、全く見事。
1. Phoenix Rising 6:03
2. Kik It 5:21
3. Wichita Lineman 5:48
4. If I Were A Bell 7:57
5. Emily 5:59 (piano trio)
6. Love For Sale 6:41
7. My One Only Love 6:33
8. Lazy Bird 7:26
9. Willow Weep For Me 7:24
Eric Alexander (tenor saxophone except 5)
David Kikoski (piano)
Peter Washington (bass)
Joe Farnsworth (drums)
2018年12月20日ニュージャージー州イングルウッド・クリフのVan Gelder Recording Studio録音
レーベル:
HighNote
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