CATFISH RECORDS

★カナダの主流派シーンで幅広く活躍を続け、Almus JazzやCellar Liveからの諸作に好評を集めてきた、キャリア豊富な正統派テナーサックスの逸材(マルチ・サックス奏者でもある):マイク・アレン(現在50代半ばと思われる)の、今回は、自身はテナー一本に専念し、ピーター・ワシントン(b)&ルイス・ナッシュ(ds)という超強力な猛者連のバックアップを得たトリオによる、ヴァン・ゲルダー・スタジオ(米ニュージャージー州イングルウッド・クリフ)で吹き込まれた快編。

★分厚くヘビーでいて引き締まった、そしてコクのある中々揺るぎなげな「こってりトーン」のテナーが、ハード・ドライヴ感満点の豪快武骨でダイナミックな、かつ微妙にけだるいレイジー・テイストもチラつく大振りの渦巻き咆哮、或いはパンチの利いた鋭敏アタック・ブロウ、を朗々と轟かせて、スケールもデカく包容力に溢れた頼もしい華を成し、ベース&ドラムの、安定したスイング感とフェイント(orアクセント)的スリルを好バランスで混合醸成する確固たる手堅いサポートも、ばっちりテイスティー・グルーヴィーに魅力を際立たせた、全編に顕示されるおおらかで晴れやかな人情味と力強いノリ、にひたすら心地よくハマらせてくれる会心打内容。

★明快で朗らかな親しみやすい旨口のメロディー感覚と、伝統的なバップ&ブルース・スピリット、にしっかり貫かれた、あくまでシンプル・ストレートに娯楽派の王道を突き進むこれぞサックス・トリオの鑑!、とも云うべき、ある種の泰然自若ささえ感じさせる鉄板っぽいスカッとした真っ向勝負のハード・バップ大会、が愉しげに展開され、アレン(ts)の、極めて取っ付きやすくわかりやすい、どこまでも大きく歌い大きくスイングする武勇肌タフガイらしい全き正攻法のアドリブ奮戦、〜ブレのない語り口の妙が、誠に雄渾なる貫祿堂々の冴え渡り様を見せてゴキゲンだ。

→ロリンズ辺りにも底通するような、図太く野太く流線形を描く、一音一音・一吹き一吹きに渋い旨味が濃密に詰まった明朗豪放な躍動的唄いっぷり、＝ブルージーでハートウォーミングな溌剌とした滑脱吹奏、に遺憾なく本領が発揮されており、一部ではちょっとコルトレーン的とも云える音数の多いワイルド・アグレッシヴな疾走ぶりにも瑞々しい迫真味を示したりと、何げに表情豊かでメリハリあるその歩の進め様は、結構悠々として懐も広く説得力絶大。

01. Big Bertha
02. Klondike
03. Weaver Of Dreams
04. Charlotte
05. Someone To Watch Over Me
06. The Man
07. Miles' Mode
08. Metamorphasis
09. Solitude
10. Same Old Feeling
11. Jelly Roll

Mike Allen (tenor saxophone)
Peter Washington (bass)
Lewis Nash (drums)

2019年1月5日 米ニュージャージー州イングルウッド・クリフのヴァン・ゲルダー・スタジオ録音

レーベル：Cellar Music (旧Cellar Live)

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三つ折り紙ジャケット仕様CD