★池田篤とのデュオ作が好評だった、九州(熊本〜福岡)で精力的に活躍するキャリア豊富なピアニスト:細川正彦のトリオ作品。2006年4月熊本録音。演目は既製の名曲6つと本人の自作5つ。
★一本芯の通ったきめ濃やかで透明感あるクリアー・タッチも魅力的に、しっとりとした柔和な風合いと、凛と背筋の伸びた精悍なシャープネス、が巧く掛け合わされた正攻法のリリカル筋新主流派奏演が一貫する爽快内容である。
★曲によってリズムやテンポに明晰な変化〜起伏メリハリがつけられながらの、ロマンティックな歌心と流麗敏活なスイング感に溢れた、ごく親しみやすいストレートアヘッド・タイプのスッキリとした行き方(バラードも結構頻出)が続き、主役pの、エヴァンス以降の抒情派モード・ピアノの正統スタイルを基本とした、折り目正しくも表情豊かでメロディアスな劇的アドリブ・プレイが中々フレッシュに冴えている。
★端正かつ力強いタッチの明瞭さや清涼味も的確に活かしきっての、エヴァンスの流れをストレートに汲んだマイルドで機動的な耽美派(アクティヴ・)バラード型の潤いあるフレージング=構成もしっかり考えられた抑揚豊かな哀愁リリカル・ストーリーの紡ぎ上げ様、に殊の外瑞々しい真価が発揮される他、ハンコック(〜マッコイ)的オーソドキシーに沿った、より硬派でダイナミック&パーカッシヴな荒削りめの熱っぽいアクション攻勢、の迫真力〜キレのある生々しい昂揚具合がまた絶妙。
★そうした、カッチリ堅固なドラマツルギーと奔放なフレキシビリティの兼ね備わったp者の語り口の妙が何より美味しく際立ち、b&dsの予断ならぬインタープレイ的要素を多々盛り込んだパワフル&ソリッドなサポートも頼もしげに彩りを添えた、覇気とスウィートネス一杯の清新作品。
1 Peace
2 Eider Down
3 Shousou
4 Birds 1
5
Nardis
6 All the things you are
7 Falling Grace
8 Birds 2
9
Blues
10 Birds 3
11 Some other time
細川 正彦 (piano)
小牧 良平 (bass)
中村 健 (drums,per)
2006年4月録音
在庫有り
国内自主制作CD