★70年代より、辛島文雄、板橋文夫、本田竹広、ジョージ大塚、渡辺貞夫、向井滋春、日野皓正、等々、名だたる一流人気バンドのレギュラーを歴任してきた日本ジャズ界を代表するトップ・ベーシストの一人、=ヴェテラン重鎮:金澤英明(1954年北海道札幌市生まれ)と、ここ近年(栗林名義のグループ等で)金澤とは共演する機会の多い、個性派にして娯楽派な人気急上昇中の花形女性ピアニスト:栗林すみれ(1986年生まれ)、がガッチリ組み合ったデュオ体制による、先年の1作目(2017年3月にローヴィング・スピリッツからリリースされた)が好評を博していた、入魂にして心暖まる愉しいプロジェクト:「二重奏」シリーズの第2弾が登場。録音場所は前作と同じ北海道のパームホール蘭越。
★温もり&コク味を潤沢に滲ませながら、バネを利かせて朗々と優しく哀歓を歌うベースと、歯切れよくも一音一音を丁寧に、端正に響鳴させる真心こもったピアノ、とが、繊細にして打ち解けた和やかな呼吸で喜びに満ちた対話をゆったりじっくりと交わし、誠にテイスティーでハートウォーミングな思わずホッとする豊饒なる音空間を創出した快適内容。
★落ち着いたインティメイトな空気感をキープしつつの、きめ濃やかで神妙そうでいて安らいでもいる、寛ぎと緊張感が自然なバランスで共存した、一貫して親しみやすい旋律美とテンダネスそして節度や品位を絶やさないリリカル奏演、が柔和かつ愉しげに展開され、バラードやミディアム調をメインとしながら緩急のメリハリも適度につけられる流麗滑脱な道程の中、両者の、肩の力を抜いた自然体調子で、しかしどこまでもセンシティヴに丹誠のこめられた、瀟洒でいて含蓄深いアドリブ妙技が何とも興趣豊かに冴え渡って素晴らしい。
★栗林(p)の、折り目正しくナチュラルに抑制を利かせた、真摯で謙虚、なおかつ天性のメロディスト然たる歌心の泉の如きマイルド・キャッチーな、そしてデリケートなウィット溢れる、更には粋なファンキー・テイストも微細に散りばめられた生鮮ロマンティック節が、圧倒的な鮮度、圧倒的な瑞々しさで煌いており、一方金澤(b)の、ちょっと控えめでありながら底知れないほどの深〜い包容力を感じさせる(寛容そう?)、その一弾き一弾きから熟した吟醸味がじんわり漂ってくるような懐広げな躍動的唄い様も、さすが年季の入ったこってり渋旨な魅力を巧まず揮って好インパクト。
01. Eu Sei Que Vou Te Amar あなたを愛してしまう (Antonio Carlos Jobim)
02. Sketch No.1 スケッチNo.1 (Sumire Kuribayashi)
03. I Loves You, Porgy アイ・ラヴズ・ユー・ポーギー (George Gershwin)
04. Dozing Off Into Dreams 眠りにつく夢 (Hideaki Kanazawa)
05. NIJUSO's Song 二重奏のうた (Sumire Kuribayashi / Hideaki Kanazawa)
06. First Step ファースト・ステップ (Hideaki Kanazawa)
07. Kono Michi この道 (山田 耕作)
08. My Ship マイ・シップ (Kurt Weill)
09. Re: Choice リ・チョイス (Sumire Kuribayashi)
10. For A While 灯を惜しむ (Sumire Kuribayashi)
11. Rankoshi no Uta 蘭越のうた (Sumire Kuribayashi)
金澤 英明 Hideaki Kanazawa (contrabass) (voice on 05)
栗林 すみれ Sumire Kuribayashi (piano)
2018年10月パームホール蘭越(北海道磯谷郡蘭越町昆布町)録音
レーベル:
Somethin' Cool
在庫有り
見開き紙ジャケット仕様CD