★寺島レコードよりの過去2作品が大好評だった、ニューヨークやデトロイトのシーンで活躍する実力派女性歌手:スーザン・トボックマンの、
5年ぶりのリリース(録音的には7年ぶり)となるこのニュー・アルバムは、前作に引き続いてクリフ・モネア(p)率いるトリオと組んだ、今回もデトロイト(場所も前作と同じスタインウェイ・ギャラリー)でのライヴ編。
★落ち着いた安定感があり、潤い&旨味に富む、そしてまた微妙に渋く掠れしゃがれる面もある、中々ニュアンス濃やかでややトーン低めの何ともアジな声質による、歌詞とメロディーを先ずは何より大切にした軽妙瀟洒でリズム感も抜群のリリカル・スインギーなウィット溢れるアプローチ、を基本とし、時にはよりダイナミックで鋭敏なスピード感あるこなれた半器楽的グルーヴ表現や、力強くワイドなパンチの利いた熱唱型の節回し、なども的確に盛り込んで上手くメリハリを醸成する、ごく自然体で伸びやか、それでいてさりげなくドラマティックでもある練達した表情豊かな演唱が、清々しくも堂々たるブレのない魅力を揮いきった会心打内容。
★ファンキーとバップとモーダルの三角点を自在巧みに行き来するモネア(p)の、結構コクの利いた迫真力ある活躍も終始芳醇に際立ちながら、和気あいあいのインティメイトさと、ライヴならではのスカッと晴れやか&おおらかに突き抜けるような開放感や威勢のよさ=推進パワー、とが一体となった、快活溌剌で楽しげな道程が続き、トボックマン(vo)の、ごく親しみやすく明朗闊達げであり、同時に、伝統的なブルース&バップ由来の豊饒なる吟醸味をもナチュラルに有した、そしてズバ抜けた華のある歌い回しが、一貫してハートフル&テイスティーに冴え渡って爽快だ。
★肩の力〜リキみはすんなり抜けていながらしかし、一語一句・一声一声にしっかり誠心をこめてわりかし切々と、切実にエモーションを体現して見せるその確たる語り口は、洒脱でありながら力強く聴く者の胸に迫る説得力と大いなる感動に満ちており、そうした、軽やかで小粋な趣をまといつつ何げに卓越したストーリーテラー体質でもある歌声のあり様、歌曲表現のあり様には、実に奥深い妙味があって絶品。
1. Let's Face The Music And Dance (Irving Berlin)
2. The Way To You (Susan Tobocman)
3. I Should Care (Paul Weston, Alex Stordahl / Sammy Cahn)
4. Jim (Caesar Petrillo, Milton Samuels / Nelson Shawn)
5. I Could Have Danced All Night (Frederick Loewe / Alan Jay Lerner)
6. Too Late Now (Burton Lane / Alan Jay Lerner)
7. Fragile (Sting)
8. Frim Fram Sauce (Joe Ricardel / Redd Evans)
9. Every Time We Say Goodbye (Cole Porter)
10. Isn't It A Pity? (George Gershwin / Ira Gershwin)
11. I Wish I Knew (Harry Warren / Mack Gordon)
12. Touch And Go (Susan Tobocman) (instrumental)
13. I'll Be Seeing You (Sammy Fain / Irving Kahal)
Susan Tobocman スーザン・トボックマン (vocal except 12)
Cliff Monear クリフ・モネア (piano)
Paul Keller ポール・ケラー (bass)
David Taylor デヴィッド・テイラー (drums)
2018年11月8日ミシガン州デトロイトのスタインウェイ・ギャラリーでのライヴ録音
レーベル:
寺島レコード
在庫有り
国内制作・セミW紙ジャケット仕様CD