★1960年代後期=ハイティーンの頃からプロ活動を行ない、ホレス・シルヴァー、ジョージ・ベンソン、スタンリー・タレンタインらと共演、70年代前期にはチャールズ・トリヴァーと行動を共にし、75年にスイスへ移住、ジュネーヴを本拠にヨーロッパ中心で度々帰国もしながら国際的活動を本格化、自己レーベル:Nilvaも設立して、共演ネットワークを世界規模に拡大しつつ八面六臂の超多忙な活躍を続け、晩年のオスカー・ピーターソンのトリオやカルテットでも辣腕を揮った、アメリカン黒人ドラムのベテラン実力者:アルヴィン・クイーン(1950年ニューヨーク市のブロンクス生まれ)の、今回は、デンマークの若手ピアニスト:シーア・ロメ・ラーセンをフィーチュアしたピアノ・トリオによる、オスカー・ピーターソン・トリビュート・アルバム。
★ダイナミックで威勢よく、それでいて中々きめ濃やかなところもあるドラムの、緩急自在でニュアンスに富んだ躍動ぶりも、絶えずデリシャス&グルーヴィーに魅力を際立たせる中、歯切れよく輪郭のクリアーな小石風タッチのピアノが、伝統的バップ・スピリット、ファンキー・フィーリング、まろやかで優しい・或いは渋くて粋な歌心、に確固と貫かれた全き正攻法のエンターテイニングな明朗プレイ、をひたすら溌剌げに、元気一杯に紡いで清々しい華を成した快投内容。
★おおらかな開放感や力強いノリのよさと、思わずホッとするようなハートウォームな和やかさ、を併せ持った、そして何より親しみやすいキャッチーな歌心表現やブルースに由来した吟醸的情趣の描出、に重心を置くスカッとした晴れやか&爽やかな直球娯楽指向のリリカル・バピッシュ快演、がどこまでも愉しげに展開され、さりげなく小回りを利かせて結構鋭くプッシュしてくるベース&ドラムの瞬発力抜群な半遊撃的サポート、に上手く刺激されながら、主役を担うラーセン(p)の、ホット・エネルギッシュな疾駆パワーと落ち着いたマイルド・テンダーな寛ぎ感覚、とを的確に使い分けた、メリハリあるドラマティックなアドリブ妙演が鮮やかに冴え渡ってゴキゲンだ。
→黒っぽくアーシーでソウルフルな濃い旨味や、燻し銀的なオールド・ファッションめの硬派バップ・テイスト、更には優しく繊細でロマンティックな哀愁歌謡情緒、といった風趣を終始嬉々として鮮明に、朗々と活写してゆくその、ある時は少々荒っぽく豪快に(ハッタリもカマしつつ)全力疾走し、ある時はしんみりとメランコリックに憂き情景や深いリラクゼーションを映し出す、徹頭徹尾王道を驀進して悔いなし!の勇躍の様は全く壮快この上なく、とりわけ、ここぞのクライマックスで頻発させるブロック・コード徹底活用のイキでイナセなファンキー節の絨毯爆撃は、お約束ながら問答無用の昂揚感と芳醇さに満ち満ちていて秀逸。
01. Sushi 3:04
02. Nightingale 5:07
03. Jesus Christ Lies Here Tonight (solo piano) 3:38
04. Wheatland 4:43
05. Hero (solo piano) 4:46
06. Cake Walk 3:32
07. You Look Good To Me 6:46
08. The Last Supper (solo piano) 2:34
09. Soon 3:12
10. The Summer Comes 5:37
11. It Happened In Monterey 3:23
12. Reunion Blues 4:12
13. Gravy Waltz 4:42
14. Hymn To Freedom (solo piano) 3:26
Zier Romme Larsen シーア・ロメ・ラーセン (piano)
Ida Hvid イーダ・ヴィズ (bass except 3, 5, 8, 14)
Alvin Queen アルヴィン・クイーン (drums except 3, 5, 8, 14)
2018年10月デンマーク-コペンハーゲンのスウィート・サイレンス・スタジオ(Sweet Silence Studio)録音
レーベル:
Stunt
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