★熟味&貫祿も増してきたお馴染みチェコの人気ピアニスト:ナイポンク(1972年ウクライナのHorliwka生まれ)の、すっかり恒例となった「Live at the Office(プラハ)」シリーズの最新作、=今回はドラマーがチェンジした新トリオを率いての一編。
★堅固でキレよく潤いにも富んだ、小石を転がすような非常に耳触りのいい、そして旨味たっぷりの、一音一音がクッキリ明瞭でいて流れるようでもある魅惑のタッチのピアノが、バップ語法、ファンキー節、歌謡(小唄)的フレーズ、を黄金率でブレンドしつつ嬉々溌剌と闊歩邁進して、何ともイキでイナセで渋くて晴朗な「吟醸映え」を悠々と見せた、さすが練達にして安心の快調内容。
★歌心とバップ魂とブルース感覚そして安定律動的グルーヴ感、に徹底してポイントを絞り込んだ、この上なく「潔し!」のメロディアス&スウィンギンな明快娯楽派ハード・バップ大会、が愉しげに、おおらかに展開され、ベース&ドラムの非常に大きく豪快にスイングし、それでいて細かな機微やニュアンスも的確に覗かせる、巧まずよく練られた小気味のいい絶品のサポートにしっかり支えられ、ノセられながら、ナイポンク(p)の、決して奇を衒わずシンプル・ストレートに王道ワザを繰り出し続けて揚々&泰然たる、バッチリ肝の、そして骨芯の据わった揺るぎないキャッチー&テイスティーな語り口が冴えに冴え渡って、誠にゴキゲンだ。
→伝統的バップ・イディオムを使った硬派で雄々しく凛とした(ちょっと燻し銀っぽくもある)精悍アクション攻勢で、迫真のスリル&グルーヴを鮮烈に醸成して壮快に昂揚させ、その一方、よりポップでライトな親しみやすい歌謡色全開のマイルド・メロディック・フレージングもそこかしこに炸裂させて、中々ハートウォーミングに和ませ、そしてサビ〜山場に入るや、ブロック・コードを活かしたガーランドorピーターソンにも通じる勇み肌のダイナミックな必殺ファンキー・プレイで、ホット&エキサイティングに大団円を飾る、という、期待を裏切らぬも結構力強く白熱した、時折野性味さえチラつくフレッシュ・スリリングな歩の進め様は全くアザやか、全く華麗、全く美味至極で云うことなし。
01. Speak Low (Kurt Weill) 7:50
02. A Hard Day's Night (John Lennon - Paul McCartney) 5:30
03. Don't You Know I Care (Duke Ellington) 5:55
04. Misterioso (Thelonious Monk) 7:08 - dedicated to Hans Groiner
05. You've Changed (Carl Fischer - Bill Carey) 6:39
06. Girl Of My Dreams (Sunny Clapp) 5:41
07. You Don't Know What Love Is (Gene De Paul - Don Raye) 9:43
08. Just A Closer Walk With Thee (Traditional) 8:23 - dedicated to clarinetist George Lewis
09. Based On Bach, Bird And Trane (Najponk) 5:45
10. You Are My Sunshine (Jimmie Davis) 3:27
Najponk (piano)
Taras Voloschuk (bass)
Daniel Soltis (drums)
2018年3月28日チェコ-プラハのジャズクラブ:The Officeでのライヴ録音
レーベル:
Gats Production
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見開き紙ジャケット仕様CD