★大山日出男に師事し、河野三紀や竜野みち子らのサイド、平井庸一グループのレギュラー等で人気を獲得、MarshmallowやMo'Jazz Pleaseよりのリーダー作にも高い評価を得てきた正統派モダン・アルトサックスの確かな実力者:増田ひろみ(埼玉県川越市生まれ)の、本盤は、ワンホーン・カルテットによる2010年12月に録られていた新所沢(埼玉県)の老舗ジャズ・ライヴハウス:「Swan」でのライヴ音源、の初ディスク化。
★柔らか&まろやかにスムースな流線形を描き、それでいて微細に凹凸や角張りを成しているところもある、中々ニュアンスに富んだ清涼感と潤いあるトーンのアルトが、歌心とブルース感覚とバップ・スピリットそしてリラクゼーション溢れる、優しくもイキのいい溌剌としたマイルド・メロディックな抒情的プレイを、ひたすらスイスイ波に乗るように悠々と紡いで誠に爽やかな華を成し、ファンキー・グルーヴィーに粋な立ち回りを見せるピアノ以下サイド陣のツボを心得た助演も、ノリと旨味を的確に高めて好もしい魅力を際立たせた、どこまでも小気味よく思わずホッとするハートウォーミングな安らかさ・朗らかさ一杯の快適内容。
★極めて明快平易でメロディアス&スインギーな、そして何げに趣味のよさ〜溢れ出る軽妙瀟洒さにキラリと光るもののある、親しみやすさも満点の人情娯楽的リリカル・バピッシュ奏演、が流麗滑脱に展開され、歯切れのいい安定律動的グルーヴ感とインティメイトな寛ぎ、を変らず底流させた順風満帆っぽい道程の中で、増田(as)の、肩の力を抜いた自然体調子で飄々と波乗り遊泳を愉しむようであり、同時に、その文脈は巧まず絶妙にメリハリも利いた結構鮮やかな半劇的流れに仕上げられてもいる、という、そのごく柔和でテンダーかつ練達したストーリーテラーでもある語り口が朝飯前に冴え渡っていて、実に清々しい。
★ポール・デスモンドにも通じるようなソフト&スウィートなクールネスと、アート・ペッパーの影がチラつく風なキュッと絞り&酸味の利いた凛々しい哀愁描写、とをブレンドしながらあくまでリラックスした、余裕と落ち着きと節度(とウィット)ある軽やかな舞い泳ぎっぷりにほぼ終始し、時折よりダイナミックで硬派な勇壮さみなぎるモーダルめの敏速アクションも盛り込んで瑞々しくスリルを醸成、しかしトータルとしてはどこまでも耳触りよく心地よい、キャッチー&ソフィスティケートな持ち味が決して崩れることはないその、さりげなく磨き抜かれたナチュラリズムやテンダネスのあり様は全く卓抜だ。
1. My Romance (Richard Rodgers) 10:44
2. Clouds (Mauricio Einhorn / Durval Ferreira) 10:40
3. Spring Can Really Hang You Up The Most (Tommy Wolf) 6:52
4. Beautiful Love (Wayne King / Egbert Van Alstyne / Victor Young) 11:21
5. In My Life (John Lennon / Paul McCartney) 5:55
6. What's New (Robert Haggart) 9:43
7. Infinity (Al Cohn) 10:55
増田 ひろみ (alto saxophone)
竜野 みち子 (piano)
カイドー ユタカ (bass)
力武 誠 (drums)
2010年12月 新所沢「Swan」でのライヴ録音
レーベル:
Mo'Jazz Please
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国内制作デジパック仕様CD