★10代からプロとして活動し、近年も多方面で精力的&超多忙な活躍を続けている、当代正統派ハード・バップ・ピアノの第一人者=ベテラン名手:デヴィッド・ヘイゼルタイン(1958年ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ)の、今回は、ロン・カーター(b)(1937〜)&アル・フォスター(ds)(1944〜)の大先輩2人とガッチリ組み合った必殺トリオによる入魂作。
★ゴツッとした岩石っぽい固さや骨太感と濃い陰影を宿した、中々コクのある強堅で歯切れよいタッチのピアノが、伝統的バップ・イディオムを確たる根幹としつつ、モードやファンキー系などのヴァリエーションも的確に活用して、シブく凛々しく哀歓を写し出し、明快精悍にして余情豊かな燻し銀的音景色を余裕で創出した、さすが何げに熟成された味わいを持つ充実内容。
★メロディアスだが決して甘すぎず、スインギーだがフェイント的スリルにも事欠かない、硬派であり人情味にも富んだごくストレートアヘッドなハード・バップ演奏、が堅固かつイキイキと展開され、含蓄深そうに巧まずよく唄うカーター(b)や、安定律動性とゲリラ的遊撃アタック!を自在に交差させるフォスター(ds)、らの実に芸達者で存在感も圧倒的な(それでいて決して出すぎない)サポートに頼もしく支えられ、また煽られながら、ヘイゼルタイン(p)の、一音一音に力強い揺るぎなさを感じさせるも、しかし肩の力は絶妙に抜けていて、独特のくすんだような或いは焦げたようなダークネスorスモーキーさを含み、一定のゆとりや節度をおのずと保った、自然体であり、ちょっとストイックげでもある語り口が、一貫してソリッド&スクエアーかつ何とも云えぬ行間や奥行きを感じさせる、誠にアジな冴え渡り様を見せて素晴らしい。→オーソドックスな殺陣の型に準拠した風な、硬質で渋旨なバップ色濃い鋭角的フレーズを毅然と繰り出し、並行して粋で瀟洒な歌心やブルース・センスもナチュラルに発揮、トータルとしては翳のあるハードボイルドさと微妙な無欲恬淡さが入り混じった、醸熟にしてサラリとした滑脱なサウンドに仕上げ、後には深い幽玄が残るという、その衒いなくもジワジワくる芳醇な音イメージは全くもって魅惑的で風流だ。
01. The Time Is Now (David Hazeltine) 4:38
02. The Odd Couple (Neal Hefti / Sammy Cahn) 5:02
03. Smoke Gets In Your Eyes (Jerome Kern / Otto Harbach) 7:07
04. Cabin In The Sky (Duke Vernon / John Latouche) 7:03
05. Blues For Eddie (David Hazeltine) 6:24
06. Don't Let Me Be Lonely Tonight (James Taylor) (solo piano) 5:30
07. When I'm Here With You (David Hazeltine) 7:12
08. The Parlayer (David Hazeltine) 6:46
09. In A Sentimental Mood (Duke Ellington) 8:41
10. Muse Of Montgomery (David Hazeltine) 6:44
11. Signals (David Hazeltine) 5:48
David Hazeltine (piano)
Ron Carter (bass except 6)
Al Foster (drums except 6)
2018年5月23日ニューヨークシティのSear Sound Studio C(ライヴ)録音
レーベル:
Smoke Sessions
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三面デジパック仕様CD