★マグヌス・ヨルト(マグヌス・ユート)・トリオの屋台骨を長らく支え続けるなど、主にデンマーク-コペンハーゲンを拠点として幅広く活躍し、過去CalibratedやStuntからリリースしたリーダー・アルバム群も高い評価を得ていた、ノルウェー生まれのオールラウンドな辣腕ドラマー:スノッレ・シルクの、通算4作目となる今盤は、好評だった前作「Drummer & Composer」(2016年録音Stunt)の延長線上に位置する、とも云える3管セクステット(顔ぶれ的には前作からトロンボーンが抜けた他は全て同じメンバーとなっている)を率いての自作曲メインの快調編。
★ガッチリ安定律動的でいて中々芸も細かく小回りを利かせて縦横無尽・変幻自在に駆け巡る、ドラムの遊撃性満点のダイナミズム攻勢、も絶えず鮮麗なる魅力を放つ中で、奥行き深く重層的でカラフルなアンサンブルや、各人の、ハード・バピッシュであったり、よりオールド・ファッションなビ・バップ(もしくはスイング)風であったり、或いはまた黒っぽい吟醸味に溢れたこってりソウルフルな行き方であったりの、それぞれに個性&スター性充分のソロ活躍、が映え映えしくも超芳醇な見せ場を飾ってゆく、ノリノリにして揺るぎなくコク旨な好演内容。
★多彩で層の厚い3管アンサンブルを十二分に活かした展開が小型ビッグ・バンド風の趣をも呈し、そしてチームプレー並びに銘々のソロの双方に結構ニグロ・スピリチュアルでアーシーな漆黒のソウル色が脈々と息づく、ある時はエリントン似、ある時はトラッド調、またある時はハード・バップ・スタイル、と何げに変化〜メリハリに富んだ明快でシブいエンタテイメント指向の熱演が続き、次々と入れ代わりでフロントを張るソロイスト達の、晴朗で伸びやかそれでいて一定の役作りやドラマツルギーにシカと根ざした立ち働きが、実にアザやかにおいしい豊饒地帯を形成してゴキゲンだ。
★Harbeck(ts)の武骨で泥臭くバッチリ濃い口なワイルド咆哮や、Lindquist(as)のイナセでファンキーな鋭敏ブロウ、Wiklund(cor)のシャキシャキ・キビキビしたイキのいい、かつレイジーな燻し銀風味も漂う躍動ぶり、Hjorth(p)の一音一音が十全に考えられ、練り上げられた作劇構成的アプローチなど、2010年代と1940年代とを自在に往来するかのような、何ともアジな必殺至芸が連続して全く見事。
SIDE A
1.Exotica
2.18th & Vine
3.Monaco
4.Blues Arabesque
SIDE B
1.Portrait
2.Blues Overture
3.BEAT
4.Zanzibar
5.Bells, Bells, Bells
Tobias Wiklund (cornet)
Klas Lindquist (alto saxophone, clarinet)
Jan Harbeck (tenor saxophone)
Magnus Hjorth (piano)
Lasse Mørck (bass)
Snorre Kirk (drums)
2018年5月デンマーク-コペンハーゲン録音
レーベル:
Stunt
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輸入盤LP