★オーストラリアのシドニー出身で、母国での活躍を経て2008年に米ニューヨークへ拠点を移し、近年はArborsからリーダー作群をリリースして好評を得ている、オールラウンドなクラリネッター(マルチ・リード奏者):エイドリアン・カニンガムと、アメリカのモダン・スイング界を代表するクラリネット&テナーサックスのベテラン名手:ケン・ペプロフスキー(1959年オハイオ州クリーヴランド生まれ)、という人気スター2人がコンビを組んだ、リニー・ロスネス(p)以下の敏腕リズム隊がバックにつく双頭クインテットによる一編。
★息もピッタリ合った、端正で清涼感溢れる2リードのアンサンブルが何とも爽やかに響き渡り、各々のクールでモダニッシュなソロや、カッチリした硬質感あるピアノのブルージー・バピッシュ弾奏、が色とりどりでおいしさたっぷりの華を成してゆく、溌剌にしてジェントル&ソフィスティケートなその立ち居振る舞いが得難い魅力の好投内容。
★テンダーでハートウォーミングな優しい和みムードと、歯切れよくダイナミックなスイング感、を一貫して堅持した、リズムやテンポにも上手い按配で起伏のつけられる、モダン・スイングとウエストコースト系と抒情派クール・ジャズを絶妙にミックスしたような、小気味よく趣味のいい誠に快適な寛ぎリリカル奏演が展開され、カニンガム(cl,bcl,fl)やペプロフスキー(cl,ts)の、ひたすら軽妙洒脱で歌心とインテリジェンスそしてウィットっぽさに富んだアドリブ・プレイが、瑞々しくも余情豊かな出色の冴えを見せてゴキゲンだ。
★カニンガム(cl,bcl,fl)の、涼やかでモダン・フィーリングに満ち、チョイ思索性をも仄めかせる、その一音一音が実に端麗で心地よい波乗り調子の泳ぎっぷり、がすこぶるフレッシュ&テイスティーな妙味を揮っており、一方ペプロフスキー(cl,ts)の、クラでは生粋の正統派スインガーぶりを発揮、テナーではレイジー・スモーキーなちょっとけだるい脱力感を漂わせつつの哀愁スムース・ブロウ、にさすがの熟練さを示した余裕ある活躍もバツグン。加えて、ロスネス(p)の、わりかしオールド・ファッションな職人芸に徹した悠然たる、そして楽しげな立ち働きも◎。
1. Show Type Tune
2. Jimmy Up Jimmy Down
3. Ballade
4. Background Music
5. Carinhoso
6. Mozart After A Few Beers
7. Dois Grandes Gringos
8. Looking Back
9. I'm Just A Lucky So And So
10. Luiza
11. Sonic Garden
12. Alligator Crawl
Ken Peplowski (clarinet, tenor saxophone)
Adrian Cunningham (clarinet, bass clarinet, flute)
Renee Rosnes (piano)
Martin Wind (bass)
Matt Wilson (drums)
2017年5月10&11日ニューヨークシティのAvatar Studios録音
レーベル:
Arbors
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デジパック仕様CD