★ニューヨーク(NYC)を拠点に主流派シーン第一線で精力的に活動し、過去OriginやOutside in Musicからアルバムをリリースし好評を得ていた、コンポーザー肌の若手トロンボーン奏者:ニック・フィンザーの、テナー、ギター、ピアノらとのセクステットを基本とした一編。
★スモーキーな陰影と柔らかな温もり感を湛えた美味トーンのトロンボーンが、ある時はファンキー&ソウルフルに粋な吟醸節を歌い、ある時はモーダル・ダイナミックに苦味走ったアクションをキメて、中々渋くてコクのある絵を飾り、タフさとレイジーさの入り混じったテナーや、思索性を孕んだハードボイルドなピアノ、現代感覚溢れるゲリラティックなギター、らの活躍もそれぞれ色彩鮮烈に魅力を際立たせた、旨味たっぷりで歯応えも充分の会心打内容。
★硬派で雄々しく、それでいて歌心にも事欠かない、極めてストレートアヘッドな今日流のハード・バップ熱演が敏活に展開され、さりげなく凝ったアレンジ面〜アンサンブル設計の巧緻かつ奇抜な面白さにも光るものを見せながら、各人の腰の据わった伸びやかなソロ〜リレー合戦が、清々しくも味のある隆盛ぶり・豊作ぶりを呈して、実に壮快に、そしておいしさ芳醇に昂揚させてくれる。
★フィンザー(tb)の、結構ダウン・トゥ・アースな濃い口のシブいブルース・テイストを満載し、同時に飄々とした軽妙さや浮遊感覚をも匂わせる滑脱プレイが、とりわけ豊饒なる冴え渡り様を示してゴキゲンで、一方、Pino(ts,bcl)の、パンチの利いた武骨で少々荒削りなパワフル咆哮や、Wintz(g)のバップとコンテンポラリーを的確に使い分け、交差させた劇的立ち働き、Gould(p)の安定してソリッド&スクエアーな引き締まった驀進ワザ、といった辺りも各々揺るぎない個性で超テイスティーな妙味を放ち、好印象。
1. Rinse And Repeat (Finzer)
2. Never Enough (Finzer)
3. Maria (Bernstein)
4. Tomorrow Next Year (Finzer)
5. Soon (Gershwin)
6. No Arrival (Finzer)
7. Pyramid (Ellington, Gordon, Mills, Tizol)
8. Only This, Only Now (Finzer)
9. The Greatest Romance Ever Sold (Prince)
10. A Flower Is A Lovesome Thing (Strayhorn)
Nick Finzer (trombone)
Lucas Pino (tenor saxophone, bass clarinet)
Alex Wintz (guitar)
Victor Gould (piano)
Dave Baron (bass)
Jimmy Macbride (drums)
2017年9月14日NYブルックリンのAcoustic Recording録音
レーベル：
Posi-Tone
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ペーパージャケット仕様CD
