★正統派にして芸達者な白人モダン・アルトサックスのベテラン実力者:ジム・スナイデロ(1958年カリフォルニア州レッドウッド・シティ生まれ)と、依然多忙に活躍するオールラウンドな黒人トランペットの逸材:ジェレミー・ペルト(1976年カリフォルニア南部生まれ)、の人気スター二人がコンビを組んだ双頭クインテットによる、キャノンボール・アダレイに捧げられた痛快な一編。
★息もピッタリの、端麗でいて色彩感鮮やかな2管アンサンブルが、ファンファーレの如く勇ましげに轟いた後、パンチの利いたファンキーなアルトや、漆黒の吟醸ソウルをみなぎらせたトランペット、抑えの利いたスクエアー・バピッシュなピアノ、らが終始意気溌剌と伸びやかかつ晴れやかに見せ場を繋いでゆき、理屈抜きに清々しい昂揚感を満喫させてくれる会心打内容。
★ひたすら単純明快に直線コースを驀進する、文句なくスカッと胸のすくような娯楽活劇調のハード・バップ大会!、が何とも楽しそうに展開され、歯切れよくノリノリな抜群のスイング感を醸成するリズム陣のブレなき活躍、にバッチリ支えられ、ノセられながら、各人の潔く真っ当な王道勝負に徹した歌心も満点のソロ合戦が、どこまでも爽やかそして旨味に溢れた盛り上がりを呈して、全くゴキゲンだ。
★スナイデロ(as)の、一貫して朗々と波乗り調子で超おいしい美メロを歌いきる、明るく親しみやすくもイナセなブルース・スピリット一杯の滑脱ブロウ、がとりわけ傑出して華やいだ壮快この上なしの映え渡り様を見せており、一方、ペルト(tp)の、凛々しく苦味走った硬質アクションと、よりまろやかでマイルド・ロマンティックな寛ぎ節、を上手く交差させた劇的立ち回りや、ヘイゼルタイン(p)の、陰影濃く硬派で渋い殺陣ワザに安定した熟練味を発揮する邁進ぶり、といった辺りもそれぞれにイキで芳醇な魅力を放ち、好インパクト。
1. Party Time (J. Pelt)
2. Del Sasser (S. Jones)
3. Wabash (J. Adderley)
4. Saudade (W. Booker)
5. Stars Fell On Alabama (M. Parish / F. Perkins)
6. Sack O' Woe (J. Adderley)
7. Ball's 90th (J. Snidero)
8. Work Song (N. Adderley)
Jim Snidero (alto saxophone)
Jeremy Pelt (trumpet)
David Hazeltine (piano)
Nat Reeves (bass)
Billy Drummond (drums)
2018年アメリカ作品
レーベル:
Savant
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CD