★バークリー音大に学び、福岡を主たる拠点に西日本のライヴ・シーンで精力的に活躍、アルバムも着々と発表してきたモダン・ピアノの逸材:工藤隆(1968年生まれ)の、本盤は、ソロ・ピアノによる2作同時リリース企画のvol.1にあたる入魂の一編。
★キレ味シャープで一音一音がクッキリと鮮明に鳴る、中々力強いストーン風タッチのピアノが、エレガントかつダイナミック、そして時には華美なハッタリが利いていたりアブストラクトになったりもする、メリハリに富んだ劇的プレイを実にパワフルに紡いで、清々しい感動と壮快な興奮を満喫させる敢闘内容。
★バラードや耽美路線があったかと思えば、ハイテンポで豪快に驀進スイングする硬派なアクション・トラックもあったりと(メインは前者)、按配よく緩急のつけられた基本はメロディアス指向の抒情性溢れる快演が展開され、タフで威勢よくも結構ニュアンス〜機微にも長けた含蓄深い語り口で、大いに昂揚させ、また芳醇な旨味をしっかり堪能させてくれる。リリカル派・ロマンティック派的な趣向における、誠心こめて丁寧に、切々と哀愁的情景を描き上げてゆく真性メロディスト&詩人ぶりが、大層フレッシュでいてこってりテイスティーでもある全く鮮やかな魅力を揮っており、一方、より敏速に突撃する立ち回り的展開での、ブルージー・バピッシュだったりクラシックor現代音楽っぽかったりの何げに苦味走った躍動の様も、凛々しく渋い毅然たる妙味を放って好印象。
1. First Song (Charlie Haden)
2. Thad's Blue Plaid (Robert Hurst)
3. Nava - Episode I (Takashi Kudo ⓒ2/14/17)
4. Begin The Beguine (Cole Porter)
5. You Want Some? (Takashi Kudo ⓒ3/2/17)
6. Baby's Breath (Takashi Kudo ⓒ31/25/17)
7. Nava - Episode II (Takashi Kudo ⓒ2/14/17)
8. Intermezzo (Takashi Kudo ⓒ5/10/07)
9. Blackberry Winter (Alice Wilder)
10. Sai Krok Esan (Takashi Kudo ⓒ11/7/12)
11. Aogeba Totoshi (traditional)
工藤 隆 Takashi Kudo (piano)
2017年4月19日,11月29日,30日Studio TLive(西東京市田無町)録音
レーベル：
Douq Music
在庫有り
W紙ジャケット仕様CD
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