★15歳でドラムを始め、17歳時に渡米、ブルックヘブンカレッジ、テキサス大学アーリントン校を経て、ボストンのバークリー音大を卒業、10年間のアメリカでの活動後、2013年にドイツのミュンヘンへ拠点を移し、以来ヨーロッパ広域で活躍してきた日本人ドラマー:福盛進也(1984年大阪府阿倍野区生まれ)の、本盤は、フランスのテナーサックス奏者:Matthieu Bordenave並びにドイツのピアニスト:ワルター・ラング、と組んだ鉄壁トリオによる一作。
★地を這うように妖しく蠢く、繊細でいてキレ味シャープなドラムの不定形的ビート鳴動の上で、ある時はマイルドで牧歌的、またある時はダークで瞑想的なピアノや、ゆったりとたゆたい浮遊するかの如き吟遊詩人風のメロディックなテナー、が端正かつサスペンスフルに見せ場を繋いでゆく、何とも瑞々しい感動が味わえる好演内容。
★スペイシーでトライアングルなインタープレイの要素も多々含ませつつ、バラードを基調とした迫真のスリルと耽美的ロマンティシズム溢れる、優しくも張り詰めた行き方が続き、極めてセンシティヴかつフレキシブルに中々考え抜かれた的確な音を発する福盛(ds)の、滑脱にして劇的そして機略性に長けた俊敏なる立ち働き、に上手く導かれ、煽られながら、Bordenave(ts)やラング(p)の、デリケートであり、伸びやかでもある密度の高いアドリブ・プレイが、生鮮度も抜群な清新この上なしの冴えを、キレを見せて快調だ。
★Bordenave(ts)の、線の細い柔らかなトーンを活かしての、甘美でテンダーそして風合いはクールでありつつ人肌の温もり感をもそこかしこに垣間見せる、力の抜けた流麗な歌いっぷりが実にフレッシュ・デリシャスに得難い魅力を揮っており、一方ラング(p)の、まろやかな詩的ロマンと仄暗い内省感の間を自在に行き来し、時には結構ストレートアヘッドなバピッシュ・カラーも覗かせる、含蓄に富んだ折り目正しい語り口、も何げに風流・風雅で好印象。
1. Hoshi Meguri No Uta
2. Silent Chaos
3. Ai San San
4. For 2 Akis
5. The Light Suite : Kojo No Tsuki / Into The Light / The Light
6. No Goodbye
7. Spectacular
8. Mangetsu No Yube
9. Emeraude
10. When The Day Is Done
11. Hoshi Meguri No Uta (var.)
Matthieu Bordenave (tenor saxophone)
Walter Lang (piano)
Shinya Fukumori 福盛 進也 (drums)
2017年3月13日-15日フランス Pernes-les-Fontainesの(Studio) La Buissonne録音
レーベル：
ECM
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