★当SteepleChaseよりの過去の諸作品に好評を得てきた、ヴェネズエラ出身の正統派ピアニスト:オレガリオ・ディアスの、今作は、過去盤でも共演歴のあるアレックス・シピアギン(tp)&シーマス・ブレイク(ts)の2管、をフィーチュアしたクインテットによる、チェット・ベイカー愛奏曲集。
★ある時は軽々と滑らかに渦巻きウェイヴを描き、ある時はドス&パンチを利かせて唸るように骨太く哀愁節を綴るテナーや、まろやかさとシャープネスを交差させつつひたすら快活に美メロを歌うトランペット、抑制あるハード&スクエアーな殺陣風のアクション技で全体に締まりを齎すキリッとしたピアノ、らがノリよく歯切れよくもカラフルに見せ場を繋いで、中々密度の濃い、それでいてホッと安心できるハートフルな豊饒世界を創出した会心打内容。
★明快でストレート、硬派にして歌心溢れる、2管ハード・バップの鑑とも云うべきスカッと爽快なメロディアス・スインギー奏演が、一定の和み感を底流させつつ嬉々溌剌と展開され、各人の、絶えずワンポイントの余裕を残して実に楽しげに舞い泳ぐソロ敢闘が、圧倒的躍動パワーと優しく温かな人情味に満ちた、雄渾かつ鮮麗なる盛り上がり・豊作具合を呈して、全くゴキゲンだ。
★ブレイク(ts)の、流麗滑脱で縦横無尽な、ドライヴ感にも溢れた大立ち回りワザの粋を遺憾なく発揮しつつも、決して抒情性や歌謡フィーリングを絶やすことのない躍進ぶりや、シピアギン(tp)の、カラッと晴れやかで凛とした精悍なたたずまいの内側から、マイルド・メランコリックな浪漫風情がジンワリ滲み出てくるような懐深い語り口、ディアス(p)の、堅実で几帳面げ、それでいて含蓄に富んだ、サバサバした簡潔な立ち働きなど、全体を通じて風抜けもよさそうな開放的おおらかさ一杯の音空間の中で、肩肘張らず伸びやかに繰り出される自然体調子の(各々一インプロヴァイザーになりきった)アドリブ・プレイの数々が、どこまでもデリシャスに冴え渡っていて、誠にアザやか。
1. Everything I Love
2. Star Eyes
3. You'd Be So Nice To Come Home To
4. I Remenber Chet
5. You've Changed
6. Bernie's Tune
7. Rise And Fall Baker
8. CTA
9. Oh You Crazy Moon
10. Just Friends
Alex Sipiagin (trumpet)
Seamus Blake (tenor saxophone)
Olegario Diaz (piano)
Scott Colley (bass)
Bill Stewart (drums)
2017年5月 録音
レーベル:
SteepleChase
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