★1960年代末期より東京のライヴ・シーンで活動(当初はアルトサックスをプレイ)、川崎瞭、ジョージ大塚、鈴木宏昌、日野元彦らのサイドや自己のコンボで精力的に活躍を続け、長いキャリアの割には寡作ではあるが40年来優れたリーダー・アルバムも残してきた、テナーサックス&ソプラノサックスのベテラン名手:山口真文(1946年佐賀県唐津市生まれ)の、ギター入りのクインテットを率いての、全曲自身のオリジナルで固めた6年ぶりのニュー・アルバム。
★肉太く逞しげでいて、優しい体温っぽさや潤いにも富んだ、何とも味のあるトーンのテナーが、波乗り調子のスムース感とパンチの利き様、との兼ね合いも絶妙に溌剌と情緒を活写して、或いはより尖った硬質的トーンのソプラノが、モーダルでドライなハードボイルド調の(それでいて哀愁漂う)アクションを精悍にキメて、清々しくも雄々しい華を成し、イナセでグルーヴィーなギターやスピリチュアルなピアノ、らもしっかり濃い彩りを添えた、中々スケールの大きなノリと旨みが堪能できる充実内容。
★メロディアス&スインギーだが決して甘すぎずピリッと引き締まった表情の、極めてストレートアヘッドな現代流ハード・バップ熱演が軒昂そうに展開され、テナー中心に吹く山口の、豪快武骨さと繊細な思索性とが自然に融け合った威風堂々たる語り口が、おおらかでいて余情深いゴキゲンな大豊作ぶりを見せてゆく。
→ハード・ドライヴ感全開で実にストロングに、屈強に渦巻き咆哮を、スクリュー・アタック!をカマしまくる大立ち回りプレイ、にすこぶる勇ましく猛々しい真価が発揮されており、また、ちょっと脱力加減でゆったりスイスイとウェイヴを描くようなマイルド風味の寛ぎ調や、ソプラノでの苦味走ったシリアスなメランコリック節、辺りにも瑞々しい、爽やかな魅力があって好印象。シャープ&メロウにコクのあるブルース節を歌う東海林(g)、スクエアーかつウォームな抑えの利いた奥村(p)、らの助演も光る。
1. Sequel To A Dre
2. Little Sorrow
3. Let Your Mind Alone
4. Incantation
5. Aerial Passage
6. The Plot II
7. Carmen
8. Arm Of The Sea
山口 真文 Mabumi Yamaguchi (tenor saxophone on 2,4,5,6,7,8) (soprano saxophone on 1,3) (compose)
東海林 由孝 Yoshitaka Shoji (guitar except 3,6)
奥村 美里 Misato Okumura (piano except 4,6)
小牧 良平 Ryohei Komaki (bass except 3)
小松 伸之 Nobuyuki Komatsu (drums except 3)
2017年日本作品
レーベル:
Spice Of Life
在庫有り
国内制作CD (デジパック仕様)