試聴可バークリー音大に学び、90年代後期よりＮＹのダウンタウン・シーンでジョン・ゾーンやイクエ・モリ、ネッド・ローゼンバーグ等々と交流しつつ精力的に活動、ヨーロッパ・ツアーや各種フェスティヴァル出演も熱心に行い、アルバム数作品をリリースしてきた、ユニークな尖鋭派の日本人女性ピアニスト(名古屋出身)の、本盤は、NYの強者連と組んだ5tetによる2002年7月ニュージャージ州Paramus録音の一編。曲は本人の自作。内省的・瞑想的ムードや空間浮遊型のサスペンス、或いはまたエモーショナル&アグレッシヴにジワジワと登り詰めてゆくような加熱的昂揚性、独特の哀切なメロディーに象徴される妖しいエキゾティズム、といった要素が鮮烈に交錯した、モード系スピリチュアル・ジャズの一典型らしい迫真の大熱演が横溢する、腰の据わった中々の濃厚内容である。スタイルも適宜バラエティーに富んだ、情熱的で深遠広大なスケール(色彩的奥行き)を感じさせる、一種の内的情魂ファンタジーとも云うべき世界が生々しく軒昂に活写されてゆき、p者の、内省型のマイルドな牧歌的バラード・プレイや、モーダル派の王道らしい勇猛熱血なダイナミズム攻勢、が鋭くも瑞々しい輝きと香味を放ち続ける他、野性味溢れるエネルギッシュ&イマジネイティヴなsax陣の奔放跳躍ぶりや、こってり濃い口のスピリチュアリティを満載した重厚b、らもそこかしこでインパクト強烈に際立って、全編に渡り圧倒的切迫感と前のめりの覇気の絶えない、実に高密度な仕上がりとなっている。
Rise And Fall,
Reminiscence,
The Sirens Of Titan,
Whirl Around Future
他全7曲収録
永井 晶子 Shoko Nagai(p,acc,marimba)Sam Newsome(ss)Greg Tardy(ts,cl)Dave Hertzberg(b)Satoshi Takeishi(per,electronics)
在庫有り
