★米録音の最新作「I'll Close My Eyes」も好評を得ている、北九州市を拠点に活躍中の女性ピアニスト:前田幸美(福岡県出身)の、本盤は、2010年に吹き込まれ、リリースされた、処女作にあたるミニ・アルバム。トリオで2曲、ソロ・ピアノで2曲の全4曲。
★ゴツッとした固さや濃い陰影っぽさと、澄んだ潤い感、が塩梅よく融け合った鋭角的タッチのピアノが、ある時はダイナミック・バピッシュに硬派なアクション技を毅然と炸裂させ、ある時は玉転がし風の滑らかさを呈しつつ粋な小唄情緒を活写、またある時は瞑想感を絡めつつ繊細かつダークに深い哀愁を歌い上げて、清々しくも渋い絵を飾り、ノリにノッた鋭敏でグルーヴィーなエレキベースや、歯切れよくパンチ・キックをカマしてくるドラム、らも各々壮快に彩りを添えた、推進力バツグンそして旨味たっぷりの会心打内容。
★徹頭徹尾メロディアスでスウィンギンな、意気溌剌と驀進するリリカル・アクション調の明朗快演が展開され、前田(p)の、骨芯もしっかり据わった中々エネルギッシュに歌い躍るアドリブ奮戦が、昂揚感抜群にしてブレなく風格堂々たるゴキゲンな冴えを見せてゆく。
★→バップ(やモード)の定番イディオムに則った、硬質で凹凸起伏に富んだパワフルな力学的アクション攻勢と、適度に軽みをも湛えたファンキー・テイストの吟醸的ブルージー節、とのミックス文体を基調としつつ、より深い翳りを呈したスピリチュアルな求心的情緒描写や、リズミカルで賑々しいラテン調のアツいグルーヴ路線っぽい立ち回り、といった転回も織り混ぜて、メリハリ充分のドラマティックな流れを一歩一歩力強く編み上げてゆくその、ポジティヴな勢いと揺るぎない信念を感じさせる語り口は、誠に美味しく説得力も満点だ。
1. A Night In Tunisia
2. Sakura Fantasy
3. On Fire
4. White Street
前田 幸美(piano)
関谷 友貴(electric bass on 1,3)
吉川 昭仁(drums on 1,3)
2010年9月4日 東京STUDIO Dede録音(アナログ録音)
レーベル:自主制作
在庫有り
国内自主制作CD