★主流派ジャズとラテン系の両フィールドを股にかけ、自己の小コンボやSF Jazz Collective(創設メンバーの一人である)などで活躍、FSNT、Marsalis Music、Sunnyside、Miel Musicより続々と気合の入った意欲作を発表して好評を博してきた、コンポーザー肌の個性派アルトサックス奏者:ミゲル・ゼノン(1976年プエルト・リコのサン・フアン生まれ)の、鉄壁カルテットによる好調作(日本盤のみボーナス・トラックを1曲プラス)。
★スタイルも刻々変移するリズミカルなビートの上で、奔放自在に飄々と宙を舞い泳ぐアルトサックスや、苦味走ったハードボイルドな立ち回りワザをカマしてくるピアノ、らがジワリジワリと白熱しつつスリリングに見せ場を分け合ってゆく、旨味と歯応え充分の鮮烈な敢闘内容。
★ラテン調だったりファンク系統だったりの、ビート・グルーヴ感がバッチリ利いた、そして、決して甘くはないが情緒性も潤沢に備える、コンテンポラリー・タイプの精悍軒昂なるアクション奏演が溌剌と展開され、ゼノン(as)やペルドモ(p)の、シリアスでいて美味さある気合の入ったアドリブ・プレイが、何とも瑞々しい盛り上がりを呈して壮快だ。
★ゼノン(as)の、バピッシュorブルージーな吟醸節と、より幾何学的で半アブストラクトな遊泳フレージング、を織り混ぜながら、一貫して結構クールで肩の力の抜けた丸みある柔らかな軌跡を描いてゆくその、何げに超ハイテクニックで超敏捷だがそれと意識させない、マイルドでさえある流麗滑脱ブロウが誠にアザやかに冴え渡っており、一方ペルドモ(p)の、大筋ではハンコック辺りの流れを汲んだ、パーカッシヴさとソウルフルさの兼ね合いも程好い、ソリッドな殺陣的ダイナミズム表現に真価を発揮する凛とした疾駆ぶりも、ゼノンとは好対照を成す中々アグレッシヴな迫真味を放っていて好インパクト。
1. Academia 8:27
2. Cantor 8:02
3. Ciclo 8:02
4. Típico 8:47
5. Sangre De Mi Sangre 6:58
6. Corteza 7:09
7. Entre Las Raices 5:37
8. Las Ramas 7:48
9. La Novia Que Nunca Tuve (bonus track for Japan)
Miguel Zenón (alto saxophone)
Luis Perdomo (piano)
Hans Glawischnig (bass)
Henry Cole (drums)
2016年3月14&15日NYブルックリンのSystems Two Recording Studio録音
レーベル:
Song X Jazz ソングエクス・ジャズ
在庫有り
国内制作・三つ折り紙ジャケット仕様CD