★ドイツ・モダン・ジャズ・シーンに偉大な足跡を残した重要人物の一人、バリトンサックス奏者にして名コンポーザー&名アレンジャー:ヘルムート・ブラント(1931年ベルリン生まれ、2001年シュトゥットガルトで死去)の、本盤は、RIASとSFB(局付きオーケストラ)からの選り抜き精鋭陣を迎えた11人バンドによる、1963年3月ウェスト・ベルリンでのコンサートの模様を収めた未発表ライヴ音源の初ディスク化。
★カラフル&ダイナミックなイキのいいホーン・アンサンブルが鮮麗に炸裂し、バップ色濃い精悍なトランペットや、渋旨でファンキーなトロンボーン、ある時はクール・スムース、またある時は思索的でモーダルなバリトン、スクエアーかつアーシーなピアノ、等々が軒昂溌剌とした足取りでリレーを繰り広げて、何ともゴキゲンな大豊饒地帯を形成してゆく会心打内容。
★ハード・バップのオーケストレーション化、的なスカッとした活劇調や、ウエスト系orクール派にも通じる趣味のいい巧緻な行き方、モード色を加味したシリアスめの路線、ノリにノッたR&Bグルーヴ風の大熱演など、スタイルは適宜バラエティーに富んだ、山あり谷ありのドラマティックな驀進が続き、各人の簡潔でツボを心得たソロ奮戦が、誠に晴朗で何げに密度も高い、充実した盛り上がりを見せてゆく。
★トランペット陣の、いずれも硬派でイナセげなストレートアヘッダー然とした活躍や、トロンボーン陣のウォームで芳醇な吟醸ブロウ、ゲラー(as)の、クールネスと旨口ソウルが渾然一体となった流麗ワザ、ブラント(bs)の、ジェリー・マリガンとペッパー・アダムスの間を自在に往来するような滑脱プレイ、Von Dobrzynski(fl)の、ダウン・トゥ・アースでありミステリアスでもある囀り吹奏、Meier(p)の固くカッチリした中にブルース由来のシブいコクもしっかり匂わせた敏活妙技など、全くアザやかな好プレーが次々と連続して、ひたすらトントン拍子に超楽しく聴き進ませてくれる。
SIDE A
1. Boogie Waltz
2. Trifi
3. Berlin Calling
4. Opus C-Moll 794
5. Boris (Rendezvous)
SIDE B
1. I Passkontrolle
2. II Einsame Insel
3. III Sturmwarnung
4. IV Strandfest
5. V Urlaubsflirt
6. VI Fotoalbum
Helmut Brandt (baritone saxophone, leader)
members of RIAS and SFB Orchestras:
Benny Bailey (trumpet)
Harry Samp (trumpet)
Ack van Rooyen (trumpet)
Siegfried Schmidt (valve trombone)
Nat Peck (trombone)
Herb Geller (alto saxophone)
Stefan Von Dobrzynski (tenor saxophone, flute)
Gunter Meier (piano)
Hajo Lange (bass)
Heinz Niemeyer (drums)
1963年3月27日旧西ドイツ-ウェスト・ベルリンのSFB Sendesaal / Haus des Rundfunksでのライヴ録音
レーベル:
Sonorama
在庫有り
輸入盤LP