★Splasc(h)やAbeat、澤野、TRJ等よりの諸作に好評を集めてきたイタリアの個性派ピアニスト:ロベルト・オルサー(1971年イタリアのDomodossola生まれ)の、今回は、鉄壁のトリオにトランペットが加わったカルテットによる一編。
★繊細で潤い豊か、それでいてキレ味も抜群にダークなメランコリー風情をじっくり映し出してゆくピアノと、ある時は優しくまろやかに、ある時はシャープ&ソリッドに、メリハリを利かせてイキイキと哀愁を歌い上げるトランペット(orフリューゲルホーン)、とが絶妙のコントラストを成しながらドラマティックかつセンシティヴに座を分け合って、奥行き豊かなヨーロッパらしい詩情世界を端正に描き出した好演内容。
★リズム・スタイルはバラエティーに富んだ、「欧州流コンテンポラリー抒情派」の一典型らしい、快活でいて節度ある躍動的メロディアス奏演が紡がれ、Sigurta(tp,flh)やオルサー(p)の、瑞々しい感動に溢れた表情多彩なアドリブ奮戦が、何とも清やかに盛り上がりを呈してゆく。
★Sigurta(tp,flh)の、デリケート&テンダーでありながらピリッとした毅然さ・凛々しさも自然に漂わせた、ビタースウィートな吟遊詩人風のロマネスク・ブロウが実に鮮麗に華を成しており、一方オルサー(p)の、抑制を利かせて終始陰影濃く、憂愁的情景の奥底へ腰を据えて入り込んでゆくかのような、妖気仄めくノワールな耽美派プレイも、一聴簡潔でいて何げに深い余韻〜幽玄をジンワリと後に残して全く素晴らしい。
1. Skyscapes (Yuri Goloubev)
2. Stella By Starlight (Victor Young)
3. Elm (Richie Beirach)
4. Still To Bill (Roberto Olzer)
5. Maybe Next Time (Roberto Olzer)
6. Aphrodite (Roberto Olzer)
7. Stee-Vee (Yuri Goloubev)
8. Vocalise (Yuri Goloubev)
9. Forward (Roberto Olzer)
Fulvio Sigurta (trumpet, flugelhorn)
Roberto Olzer (piano)
Yuri Goloubev (bass except 4)
Mauro Beggio (drums except 4)
recorded, mixed and mastered in August 2016 at Artesuono Studios, Cavalicco (UD), Italy, by Stefano Amerio
レーベル:
Abeat for Jazz (Abeat Records)
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