★先年の第1作が好評だった、ニューヨーク・シーンで活躍するイスラエル出身の若手テナーサックス奏者:オデッド・ツールの、今回も前作と同じ顔ぶれ=シャイ・マエストロ(p)、ジヴ・ラヴィッツ(ds)、そしてペトロス・クランパニス(b)参加のカルテットによるセカンド・アルバム。
★重厚で肉太く、それでいてまろやかなソフトネスや軽みをも呈した美味トーンのテナーが、力強くも伸び伸びと、吟遊詩人風のおおらかなブルージー・ブロウを轟かせて清々しい華を成し、端正なタッチでロマンティックかつダイナミックに邁進するピアノの助演も、中々鮮麗で歯切れのいい彩りを添えた、何とも爽やかな感動に包まれる好演内容。
★独特のエキゾティズムをも仄めかしつつ、フォーキーでスピリチュアルな牧歌的(またある時は瞑想的)ムードのコンテンポラリー・モーダル奏演が綴られ、ツール(ts)やマエストロ(p)の、エモーショナル&パッショネートに詩情を映し、かつ、メディテーション世界の奥底へ深く降りてゆくようなところもある、何げにドラマティックで旨口なアドリブ・プレイが誠に瑞々しく冴え渡る。
★ツール(ts)の、アーシーな吟醸節とエスニックな民謡的フレージング、を細かに融け合わせたような、風合いはごく柔和でふくよかさ溢れる優しい吹鳴のあり様、が実にフレッシュ・デリシャスな鮮度抜群の魅力を揮っており、一方マエストロ(p)の、ゴスペルorフォーク系統っぽい詩的文体と、一種のヒーリング効果を伴った幾何学的ダイナミズム表現、とを的確に使い分けたメリハリある立ち働き、も結構シャープ&ソリッドに際立っていて好印象。
1. シングル・マザーズ (Oded Tzur)
2. ウェルカム (Oded Tzur)
3. ザ・ホエール・ソング (Oded Tzur)
4. ザ・スリー・ステイトメンツ・オブ・ガラブ・ドルジェ (Oded Tzur)
5. ロニーズ・ラメント (John Coltrane)
Oded Tzur (tenor saxophone)
Shai Maestro (piano)
Petros Klampanis (bass)
Ziv Ravitz (drums)
2016年10月5日フランス-ムードン、2016年10月29日米ニューヨーク録音
レーベル:
Muzak(Yellowbird原盤)
在庫切れ
可能な限りお取り寄せいたします
CD
国内制作CD